医療費控除のために行う確定申告の手続きがすこし簡単になった件

更新日:2019/01/08

会社員の人が確定申告をする理由のひとつに「医療費控除」があります。これまでの医療費控除は、手続きが面倒なわりに、医療費をかなりたくさん使った人でないとメリットが少ない控除制度でした。ところが2017年から、医療費控除の確定申告の方法が簡単に!「面倒だから」と医療費控除に該当するのに申告してこなかった人は、この機会に申告を始めてみてはいかがでしょうか?

医療費控除のために行う確定申告の手続きがすこし簡単になった件

もくじ

・医療費控除って何?

・医療費がいくら以上かかったら確定申告するべき?

・どうやって医療費控除を申請するのか

医療費控除って何?

医療費控除って何?

「医療費控除」は、自分や生計をともにする家族が利用した医療費が1年間で10万円を超えた場合に、超えた金額分について「所得控除」を受けられるという制度です(※上限は200万円)。たとえば、家族でかかった医療費が12万円だった場合は、2万円分について所得控除が受けられます。ただし、所得が200万円未満の人は、所得額の5%を超える部分が対象です。そのため、所得が150万円の人が医療費を12万円使った場合、150万円×5%=7万5,000円、12万円-7万5,000円=4万5,000円の医療費控除が受けられるということになります。

 

なお、「所得控除」は、所得税を算出するためのベースとなる金額から該当の金額が控除されるということです。医療費控除として算出された金額がそのままかえってくるというわけではありません。たとえば、所得税率が10%の人が2万円の医療費控除を受ける場合、戻ってくる税金の目安は2万円×10%=2,000円となります。

 

これに加えて、2017年からは「セルフメディケーション税制」として、予防に気を配っている人が指定の医薬品を買った場合に、年間1万2,000円を超える部分について所得控除できるという制度もできました。この制度の限度額は8万8,000円で、通常の医療費控除と併用することはできません。

医療費がいくら以上かかったら確定申告するべき?

医療費がいくら以上かかったら確定申告するべき?

医療費控除でどのくらいメリットがあるのかは、それぞれの人の所得税率によっても変わります。所得税率は課税される所得の金額によって異なり、195万円以下の場合は5%、195万円超330万円以下の場合は10%、330万円超695万円以下の場合は20%と、所得が上がるほど税率も高くなります。

 

たとえば、医療費が年間20万円かかった人の場合、税率が10%の場合に戻ってくる金額の目安は1万円ですが、税率が20%の場合は2万円程度戻ってくるということになります。

 

「いくら戻ってくるなら確定申告するか」というのは、それぞれの人の考え方によって違うでしょう。たとえ1円でも戻ってくるのであれば確定申告したい!と思う人もいるかもしれませんし、1,000円程度なら面倒だからいい、という人もいるかもしれません。自分の所得税率と戻ってくる金額を考えて、確定申告するかどうかを選びましょう。

 

ただし、確定申告がいくら簡単になったとはいえ、クリックひとつで申告ができるというわけではありません。税務署に行ったり、郵送したりするのにも手間とお金がかかる可能性もありますから、本当に申告することで得になるかどうかを考えてみる必要があります。

どうやって医療費控除を申請するのか

どうやって医療費控除を申請するのか

医療費控除の申告は、「確定申告」で行います。これまでは、かかった病院でもらえる領収書の添付が必要でしたが、2017年からは不要になりました。ここでは、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用した具体的な医療費控除の申請方法についてご説明します。

 

1.確定申告書等作成コーナーにアクセスする

2.左側の「医療費集計フォーム」をクリックしてダウンロードする(Excelファイルが開けるソフトが必要です)

3.「ご利用に当たって」シートを参考に、かかった医療費について日付や内容、金額を記入する

4.入力したシートを任意の場所に保存しておく

5.確定申告書等作成コーナーに戻って、「作成開始」ボタンをクリックする

6.「書面提出(専用の道具がある場合はe-taxも可能)」を選び、パソコン等の環境を確認して「次へ」を選択

7.「所得税コーナー」「給与・年金の方(会社員が医療費控除だけを申請する場合)」を選択し、画面の案内に従って源泉徴収票の金額などを入力

8.「医療費控除」の「入力する」ボタンをクリックして、「医療費控除を適用する」を選択

9.「医療費集計フォームを読み込む」を選択して、「ファイルを選択」ボタンから先ほど保存したExcelファイルを選択

10.読み込みが完了したら内容を確かめて「次へ進む」ボタンを押す

 

(参照:国税庁 確定申告書等作成コーナー)

 

後は画面の案内に従ってほかの控除を入力したり、自分の住所氏名や還付金の振り込み口座、マイナンバーなどを入力したりするだけです。実際にいくら戻ってくるのかは、控除をすべて入力し「入力終了」ボタンを押せば画面上で確認できます。最後に申告書を印刷して、税務署に持参するか郵送しましょう。申告完了後、1ヶ月から1ヶ月半ほどで還付金が指定口座に振り込まれます。

 

なお、医療費控除の申請は、集計フォームを使わずに領収書から入力したり、別途自分で作った明細書を添付したりすることでも行えます。自分のやりやすい方法を選びましょう。よくわからない場合は、申告会場に行ってスタッフに教わりながら入力することもできます。あまり構えすぎずに、気楽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


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