老後破産が起こる原因と今から出来る対策。人ゴトじゃありません!

更新日:2018/10/02

このところシニア世代の「老後破産」がクローズアップされています。団塊の世代前後に生まれた方を境に、年金受給総額が減らされる傾向にあります。私たち世代にとって「老後はまだまだ先の話」ではありますが、「今の給料を貯蓄しておけば良い」という考え方は危険です。 老後破産は身近に起こっています。

老後破産が起こる原因と今から出来る対策。人ゴトじゃありません!

老後破産は身近に起こっています

近年、働き手を求める声が高まっています。職種を問わなければほぼ就職できる状況にあり、若い世代の雇用はますます増えてきました。景気回復・バブル期並みの株価とは言われていますが、物価の上昇に天井が無い状況です。

 

しかし、定年を迎え余生を過ごす60歳以上の高齢者世帯では、わずかな年金収入だけでは生活することができず、生活保護世帯が増えています。厚生労働省のデータでは、生活保護受給者の45.5%が65歳以上(平成27年)という結果も出ていました。

 

また、これからは年金受給開始年齢の引き上げが予想されます。その反面、年齢を重ねてからも払い込みが続く介護保険料の増額など、「割に合わない社会保険制度の渦」に巻き込まれていくのが、今の現役世代です。老後破産、貧困老人への現実は、自分の足元にも迫っていることに気づく必要があるでしょう。

 

【参考資料】 厚生労働省「生活保護制度の現状について」

どうして老後破産が起こるの?

老後破産が起こる背景を簡単にまとめてみました。

 

  • 核家族化が進み、生計を共にできる家族が減った
  • 物価・地価の上昇により、貯金や年金収入だけでは生活がままならない
  • 国の政策転換により医療費や介護保険といった定年退職後の負担が増えてきている
  • 子どもや孫への生活支援が家計を圧迫する
  • 退職金の資産運用に失敗した

 

このほかにもさまざまなケースが考えられますが、それでも一番多く起こりうるとされるケースとして「子や孫への生活支援」が取りざたされているのが現状です。団塊の世代と言われる65歳以上の方は退職金や年金受給額も高い傾向にあり、蓄えもそれなりにあると考えられます。しかし、同居・別居問わず子どもや孫への資金援助が続くと、「老後30年」と言われるようになった現在、蓄えもすぐに底を尽きてしまいます。

まずは自分がいくら公的年金をもらえるのかを知ろう

まずは自分がいくら公的年金をもらえるのかを知ろう

老後破産を防ぐためのマネープランを立てるためには、まず、自分の将来を正しく見据える必要があります。必要以上に不安になるのも、楽観視しすぎるのも、同じくらい危険なことです。客観性を持って、老後の収支を見つめなおすようにしましょう。

そこで大切なのが、「将来受け取れる公的年金額を正確に知っておくこと」です。いくら収入があるのかを知らないまま、老後のマネープランを立てることはできません。やみくもに貯蓄をするのではなく、収入・支出・貯蓄額の3つを理解したうえで計画を立てるようにしてください。

 

・老齢基礎年金支給額の推移

老齢基礎年金とは、いわゆる国民年金のことです。国民年金に加入している自営業の方や3号被保険者である主婦の方などが受給できるほか、厚生年金受給者の会社員も厚生年金にプラスして受け取ることができます。老齢基礎年金の支給額推移を5年ごとに見てみましょう。

 

1993年 73万7,300円
1998年 79万9,500円
2003年 79万7,000円
2008年 79万2,100円
2013年 78万6,500円(10月~77万8,500円)
2018年 77万9,300円

※満額受給の場合

 

このように、受給額は年々変化しています。自分が将来いくら受け取れるのかは、現時点でははっきりしないと言わざるを得ないでしょう。しかし、1991年の70万2,000円以降は常に70万円以上をキープしているという事実は確かです。ある程度の変動はありますが、極端な減額を恐れすぎる必要はないでしょう。

自分の年金支給額を知る

・自分の年金支給額を知る

日本年金機構のHPでは、将来受け取れる年金見込額の試算ができます。年金定期便に書かれているアクセスキー(有効期限は年金定期便到着後3ヶ月)と基礎年金番号がわかればすぐに利用できるので、ぜひチェックしてみてください。

なお、アクセスキーがわからない場合は、必要事項をHP上から入力することで、ユーザーIDを受け取ることができます。この手続きには、おおよそ5日程度かかるためご注意ください。

 

年金受給額は、厚生年金の加入状況や標準報酬月額などによって異なります。国民年金だけに加入している方に比べて、厚生年金に加入している方は受給額の個人差が大きく、計算も複雑です。一度試算してみることをオススメします。

今の生活でかかっているお金をサイズダウンできるかシミュレーション

今の生活でかかっているお金をサイズダウンできるかシミュレーション

収入の目途がついたら、次は支出について考えてみましょう。老後の支出を考える際の指針となるのが、現在の支出額です。

 

・老後必要なくなるお金と必要になるお金

リタイア後は、会社勤めをするために必要だったお金がすべて不要になります。交通費、スーツ代、交際費、ランチ代、自己啓発費などがこれにあたるでしょう。また、住宅ローンや生命保険料についても、60歳や65歳で支払いが終わるように設定していれば、リタイア後の支出はなくなります。また、子どもが独立すれば教育費も不要です。

 

このように老後は現役時代にかかっていた支出のうち、不要になる費目が多数出てきます。一方で、医療費や家のリフォーム代など、増えると予想される支出もあります。子どもや孫への援助、旅行などのレジャーをどの程度行うのかによっても、支出額は変わってくるでしょう。

 

・老後の生活費を試算する

現在の家計簿を元に、老後は必要なくなる費目と増えると予想される費目を反映させた、予想支出額を計算してみてください。それぞれどの程度の金額になるかは、老後のライフプランによって異なります。自分が希望する過ごし方をイメージしながら、何にいくら使いたいか、またいくら使えるのか考えてみましょう。

無理のない節約方法

無理のない節約方法

今から無理なくできる節約方法を身に着けておけば、老後の支出額を抑えることも不可能ではありません。

 

・固定費を見直す

固定費とは、家賃や民間保険の保険料といった、毎月決まって出て行くお金のこと。固定費の削減をすることは長期的な支出の圧縮に役立つため、非常に効果が高い節約方法と言えます。たとえば家賃10万円・管理費2万円のマンションから、家賃8万円・管理費込みの物件に引っ越しをすれば、それだけで毎月4万円、10年で480万円もの節約になるはずです。

また民間保険の保険料についても、定期的に見直しを行いましょう。必要な保障はライフステージによって変わりますから、その時々の状況に応じた保険を選択することが大切です。

 

・変動費を見直す

食費、通信費、光熱費などの毎月支出額が変動するお金を変動費と言います。変動費の見直しとしてすぐに着手できるのは食費や光熱費ですが、これらを無理に節約すると健康を損なう恐れもあります。通信費のプラン変更やキャリアの見直し、浪費の削減といった無理なく節約できる方法を探してみてください。

老後に困らない!私たちが今からできること

老後の蓄えは多いほうが良いというのは、誰もが感じることです。将来、老後破産を引き起こさないためにも、私たちが今からできることを考えていきましょう。

 

健康であり続けること

高齢者になると公費負担等の行政サービスを受けることもできますが、高度先進医療の普及により、私たちの医療費負担が増えていることも事実です。高額医療費の負担を避けるため、健康を保つこと・検診を受けることは今からしっかり続けましょう。

 

浪費をせず、貯蓄する

浪費癖があると、退職後も退職金が残っていることを理由に浪費し続ける傾向にあります。浪費はせず、今から少しずつでも貯蓄することをオススメします。

 

・貯蓄をiDeCoに回す

個人型確定拠出年金(iDeCo)を利用することで、掛金を投資信託や定期預金などで運用しながら60歳以降に積立金を受給できる仕組みです。貯蓄感覚で毎月掛金を積み立てすることで老後資金を蓄えることができ、さらに「最強の節税効果」がある制度なので、ついでに節約もできてしまいます。

また自己の資産形成を考える習慣のきっかけにもなるでしょう。もちろん、投資信託や定期預金で得た利息もプラスされるのでお得です。iDeCoの検討が早ければ早いほど、自分の老後に有利に働く可能性も高まります。

iDeCoの他にもお金を貯める方法

iDeCoの他にも、お金を貯める方法はいくつもあります。通常の貯金や銀行の積み立て以外の方法についてまとめました。

 

・財形貯蓄

財形貯蓄には、住宅・年金・一般の3種類があります。老後の備えであれば、年金財形が適しているでしょう。月々の給与から天引きで貯金ができ、引き出す際の手続きも面倒であることから、確実に預金額を増やせます。ただし、運用益はそれほど高くありません。ノーリスクで確実にお金を貯めたいという方にオススメです。

 

・持ち株会

会社に持ち株制度がある場合は、それを利用するのも良いでしょう。自社株を買う際の優遇制度を設けている会社もあり、より有利な資産形成ができます。一方で会社が傾いた場合には、給与面でも株式面でもダメージを負ってしまうのがデメリットです。

 

 

現在結婚を控えている方も、子育て中の方も、ライフプランをしっかり立てていくことが大切。子育てや住宅ローン返済に必要なお金だけを考えるのではなく、重要なのは「子どもが独立したあとの生活費」であることを踏まえ、今のうちから人生プランに合わせた資産運用術を身につけ老後資金を蓄えていきましょう。

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