産休・育休中にもらえる手当て&給付金

更新日:2018/10/01

一定の条件を満たす人が産休・育休に入ると、出産手当金や育児休業給付金を受け取ることができます。出産予定のある方は、どのような条件があって、いくらもらえるのか、受給方法を支給申請手続きの前に確認しておきましょう。

産休・育休中にもらえる手当て&給付金

もくじ

・産休・育休中にもらえるお金とその条件

・出産時や育休中は実際いくら受け取れるの?

・育休後に復帰しなかったらどうなる?

・帝王切開のケース

・パートの場合の産休・育休

・増えるか?男性の産休・育休

・マタハラなのか非常識なのか、働き始めて数か月で産休の是非

産休・育休中にもらえるお金とその条件

・出産育児一時金

加入している健康保険や国民健康保険から支払われるお金で、子ども一人につき42万円が支給されます。専業主婦やフリーランスも対象です。

 

・出産手当金

出産手当金の受給対象者となるためには、母親自身が健康保険に加入している必要があります。夫の扶養に入っている専業主婦や、国民健康保険に入っているフリーランスは対象外です。出産日以前42日~出産日の翌日以降56日の支給日数期間を対象に支払われます。

 1日あたりの金額は「支給開始日の以前12ヶ月間の各標準報酬月額を平均した額」÷30日×2/3です。簡単に言えば、1日あたりの給与の3分の2程度となります。

 

・育児休業給付金

満1歳未満の子どもを養育している育休中の人に支払われるお金です。育児休業給付金は雇用保険から支給されるお金なので、雇用保険に入っている人しか対象になりません。休業開始前の2年間に、雇用保険の被保険者期間が12ヶ月以上あることが条件です。

支給額の計算方法は、育休開始から180日は月給の67%、その後は月給の50%が支給されます。育休手当は原則として子どもが1歳になるまでの支給ですが、やむを得ない事情がある場合には延長手続きを申請し、育休延長で2歳まで延長できます。

出産時や育休中は実際いくら受け取れるの?

育休開始から支払われる育児休業給付金推移

仮に月給が額面(税金などが天引きされていない金額)で20万円ある場合には、出産育児一時金が42万円、出産手当金が43万5,806円支給されます。育休開始からは育児休業給付金となり、開始から180日は月給の67%である13万4,000円が支給されますが、2ヶ月に一度まとめての受け取りです。180日以降は月給の50%である10万円が支払われます。

 

ただし注意点としては、育児休業給付金には上限があるため、月給が額面で45万円以上の場合は上限金額分しか支給されません。例えば月給が額面で45万円ある場合、出産育児一時金は変わらず42万円、出産手当金は95万8,440円支給されます。月給が45万円ある場合、育休開始から180日は月給の67%は本来30万1,500円ですが育児休業給付金は満額で28万4,415円です。(180日以降は上限21万2,250円)

育休後に復帰しなかったらどうなる?

育休後に復帰しなかったらどうなる?

出産手当金は以下の条件を満たせば、退職後も引き続き支給を受けることができます。

 

・退職日までに継続して1年以上の被保険者期間があること
・資格喪失時に出産手当金を受けている、あるいは受ける条件を満たしていること

 

一方、育児休業給付金は職場復帰を受給要件とした給付金なので、育児休業の時点で会社を退職予定であれば支給対象になりません。受給資格確認後に退職することになったら、退職日までの育児休業給付金を受け取ることができます。

帝王切開のケース

帝王切開のケース

出産に関わる給付金は、自然分娩でも帝王切開でも同じように支払われます。帝王切開は保険適用になるうえ、出産育児一時金に加えて保険金がもらえることも。このため帝王切開のほうがもらえる金額は多くなります。

 しかし基本的には自然分娩で産むことになるので、お金目的で帝王切開にするのは現実的ではありません。「帝王切開の場合はこうなる」という知識として知っておくとよいでしょう。

 

・帝王切開は保険適用

普通分娩は全額自己負担になるのに対し、帝王切開は公的な健康保険が適用されるため、通常3割負担で済みます。ただし帝王切開ならすべての費用が3割負担になるというわけではありません。差額ベッド代や入院中の食事代は自然分娩と同様に自己負担です。

さらに帝王切開の場合は、高額療養費制度が使えます。1ヶ月の上限額は入っている保険や所得によって異なりますが、忘れずに申請しておきたいところです。

 

・医療保険が下りる

帝王切開にかかる入院費用や手術費用は、民間の医療保険の給付対象になります。妊娠中でも入れる医療保険はありますが、制限が付いていることもあるため、妊娠前に入っておくのがベターです。

また、1回目の妊娠前に入っていた医療保険なら2回目の帝王切開でも保険金は下りますが、1回目の帝王切開後に入った保険では2回目の帝王切開のときに保険金がもらえないこともあるので注意しましょう。

パートの場合の産休・育休

パートの場合の産休・育休

パートでも産休・育休を取ることは可能です。産休が取れるのは産前6週間、産後8週間の期間。これは労働基準法ですべての労働者に等しく認められています。育休は同じ事業主に1年以上雇用され、子どもが1歳6ヶ月になっても引き続き雇用される見込みがあることが条件です。 

厚生労働省がガイドラインを定めているものの、育休が取れるかどうかは、事業主によって判断が分かれます。なおパートが産休・育休中にもらえるお金は、母親となる本人が自分の健康保険に入っているか否かでも異なるため注意してください。

 

・パートが自分の健康保険に入っている場合

パートが自分名義の健康保険に入っていれば、出産育児一時金、出産手当金が両方もらえます。さらに、産休・育休中の社会保険料が免除される制度もあるので、申請をお忘れなく。

さらに雇用保険に入っていれば、育児休業給付金ももらえます。雇用保険は1週間あたりの所定労働時間が20時間以上であれば加入しているはずなので、調べてみましょう。

 

・パートが夫や家族の健康保険に入っている場合

扶養の範囲で働いていて、夫や家族の健康保険に入っている場合、出産育児一時金はもらえますが、出産手当金はもらえません。

一方、育児休業給付金は雇用保険の制度です。健康保険に入っていなくても雇用保険に入っており、なおかつ職場で育休が認められたら給付できます。条件は雇用状況によって異なるので、調べてみましょう。

増えるか?男性の産休・育休

増えるか?男性の産休・育休

厚生労働省が発表した2017年度の男性の育休取得率は5.14%でした。2016年度と比べると1.98%上昇し、過去最高となっています。取得率の高い業種は金融・保険料で15.76%、情報通信業が12.78%と続きました。

 

・男性の育休取得率向上への取り組み

厚生労働省ではイクメンプロジェクトを立ち上げ、2020年度までに男性の育休取得率を13%にする目標を掲げています。夫婦で育休を取得する場合に1年2ヶ月まで休業を延長できる制度や、夫が2度目の育休を取れる制度を実施。配偶者が専業主婦でも育児休業給付金が受け取れるようになりました。

 

・職場の意識改善が重要

制度上は男性も育休が取れると言っても、なかなか取りづらい職場も多いのが現状です。男性が当たり前のように育休を取れるようになるには、根本的な意識の改善が必要かもしれません。育児休業給付金がもらえると言っても、通常の収入の3分の2になってしまうため、経済面での不安も育休取得を阻む壁となっています。

マタハラなのか非常識なのか、働き始めて数か月で産休の是非

マタハラなのか非常識なのか、働き始めて数か月で産休の是非

妊娠しながら働いている女性に対して嫌がらせをするマタハラ(マタニティ・ハラスメント)が問題になっています。妊娠した女性が仕事をやめるよう迫られるケースは後を絶ちません。

しかし、働き始めてすぐに産休を取ると言われたら、雇用者としても困ってしまうのは事実。採用担当者が妊娠中の女性・妊娠を予定している女性を避ける可能性はあるでしょう。

 

・育休や産休中のお金の問題ではない

勘違いしないでおきたいのは、産休や育休中の女性にお金を払いたくないという問題ではないということ。産休や育休にかかるお金は健康保険や雇用保険から出ているもので、会社が直接負担するものではありません。

 

・一人前に育てるには時間がかかる

会社が人員を募集するのは、その分の仕事が回っていないからです。人を雇って仕事を任せられるようにするためには時間がかかります。せっかく仕事を覚えてもらっても、すぐに産休や育休に入るのでは、また別の人を雇うまでの時間やコストがかかるうえ、再び一から仕事を教えなければなりません。ましてや育休から復帰せずにやめてしまうのでは、会社にとって大きな損失となります。

 

妊娠・出産はおめでたいことですし、産休や育休は労働者の持つ権利です。しかし入社してすぐに産休に入ってしまうのは、会社としてみれば歓迎しづらいことかもしれません。

 

 

以上、出産手当金・育児休業給付金について説明しました。ほかにも勤務先によっては独自の支給を行っていることがあります。もらい忘れの心配のないように、申請手続きの方法や提出書類、支給スケジュールなど産前にしっかりチェックしておきましょう。

  • 著者:宮島ムーさん

    関西に住む子育て中の主婦です。 お金や不動産に興味があり、日商簿記1級・FP2級・宅建などの資格を独学で取得しました。 記事ではなるべく専門用語を使わず、わかりやすく説明するよう心がけています。
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