年末調整とは。何のためにあってどういうメリットがあるの?

更新日:2018/12/13

会社勤めをしている人は毎年秋頃から年末にかけて、「年末調整」についての書類を提出することになります。「面倒くさい」と思っている人もいるかもしれませんが、実は所得税を節約するためにも役立つ大切な手続きです。年末調整の仕組みやメリットについてご説明します。

年末調整とは。何のためにあってどういうメリットがあるの?

もくじ

・損しないために知っておきたい、年末調整の仕組みとは

・年末調整の対象となる保険料とは

・保険料控除の申請漏れがあった場合

・書き間違えてしまった場合

・iDeCo に加入している場合の年末調整

損しないために知っておきたい、年末調整の仕組みとは

損しないために知っておきたい、年末調整の仕組みとは

年末調整とは、その年に納めた税金に「過不足がないか」を年末に調整する手続きのことです。会社員の人は、所得税や住民税を給与からの天引きで納税していますが、実はその金額は概算で計算されていて、正しい数字ではありません。そのためどこかで調整する必要がありますが、それが年末調整というわけです。税金を多く払っていた場合は還付(返金)され、不足している場合は徴収されます。

 

会社員以外の人は、会社で年末調整を行えないため自分で行うことになります。それが「確定申告」です。ちなみに会社員でも年末調整をしない人は自分で確定申告をしなければなりません。そう考えると、「年末調整」はとてもありがたい制度です。年末調整の書類を書くのが面倒だと思っても、確定申告をするよりはずっと簡単ですから前向きにとらえましょう。

 

また、年末調整は「節税」という意味でも効果的です。所得税には、「社会保険料控除」や「医療費控除」などさまざまな控除制度が用意されています。このうち、年末調整では「扶養控除」「配偶者控除」「社会保険料控除」「小規模企業共済等掛け金控除」「障害者控除」「寡婦控除」「勤労学生控除」「住宅借入金等特別控除(2年目以降)」などについて申告することが可能です。それ以外の控除については確定申告をしなければ反映されません。

 

しかしながら、多くの人が利用している扶養控除や保険料控除、住宅借入金等特別控除(住宅ローン控除)などを、会社で手続きしてくれるというのは非常に便利です。

 

ただし、これらの控除は、自分で年末調整用の書類に記入して初めて反映されるものです。書き忘れがないようにしましょう。

年末調整の対象となる保険料とは

年末調整の対象となる保険料とは

保険料控除とは、「生命保険料」「介護保険料」「地震保険料」といった民間の保険料や、自分自身の社会保険、家族の国民年金や国民健康保険といった保険料(自分自身が支払いをしていて申告をする場合)の支払いがある場合に受けられる控除のことです。このうち、自分の厚生年金保険料と健康保険料については、会社が自動的に控除してくれるため申告する必要はありません。

 

一方、個人的に加入している保険や、家族の分の国民年金保険料を支払った場合などは、会社に申告する必要があります。毎年秋頃になると、加入している保険会社から「生命保険料控除証明書」や、「地震保険料控除証明書」といった書類が届きます。このような証明書類が届いた場合、その保険は「控除対象になる保険」だと考えていいでしょう。

保険料控除の申請漏れがあった場合

控除対象になる保険料が複数ある場合は、申請漏れをしてしまうことがあるかもしれません。そういうときはすぐに会社に相談してください。12月中や1月の給与計算前であれば、再度年末調整を行ってもらえる可能性があります。

 

ただし、会社側は年末調整の結果を税務署や各市区町村に報告する義務があるため、一度計算した結果が後から変わるとなると、書類を作り直したり計算をしなおしたりしなければいけなくなります。大きな労力がかかることですから、断られてしまうこともあるでしょう。

 

そういう場合は、「申告自体を諦める」か「自分で確定申告をする」かのいずれかを選ぶことになります。そもそも保険料控除は上限金額が決まっていますから、上限を超えているようであれば、申告忘れがあったとしても会社に改めて申告する必要はありませんし、確定申告も不要です。

 

しかし、申告することで大きく税額を減らせる場合(国民年金や国民健康保険の支払いについて申告漏れがあった場合や、生命保険料控除を0円で申告したが実際には10万円の支払いがあった場合など)は、確定申告をすることをオススメします。

書き間違えてしまった場合

年末調整用紙への記入を間違えた場合は、二重線を引いて訂正印を押し、下部(または横などの空白欄)に正しい情報を記載しましょう。提出後に間違いに気づいたときは、保険料の申告漏れと同様に会社に相談し、対応してもらえるようであれば年末調整、対応ができないようであれば確定申告をすることになります。

 

ただし、扶養に関する申告漏れや間違いについては、確定申告をする場合でも会社に報告する必要があります。これは、「家族が新しく生まれた」「配偶者控除の対象になるのに書き忘れた」といったケースです。このような控除については、来年の源泉徴収税(月々の給与から控除される所得税)の計算方法にかかわるため、すみやかに会社に報告する必要があります。

iDeCo に加入している場合の年末調整

iDeCo に加入している場合の年末調整

iDeCoに加入している場合は、保険料控除証明書が届くのと同時期に、「小規模企業共済等掛金払込証明書」が自宅に届きます。それを添付した上で、年末調整書類の中の「給与所得者の保険料控除申告書」右下の「確定拠出年金法に規定する個人型年金加入者掛金」の欄に証明書に記載された1年間の支払い金額を転記してください。合計欄の記入も忘れないようにしましょう。この欄への記入だけで、所得税の控除を受けることができます。

  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


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