免除されていた国民年金保険料を追納したほうがいい理由とは

更新日:2019/05/16

会社員として働き始めると、多くの人が社会保険に加入し、年金を支払うようになりますね。しかし、年金保険料の支払い自体は20歳を超えた時点で発生します。仮に22歳で会社に就職した場合、2年間は自分自身で国民年金保険を支払わなければいけないということですね。

しかし、なかには年金を支払っていなかったという人もいるでしょう。その場合、「払わなくて済んでよかった!」と思っていると将来損をしてしまうかもしれません。国民年金の追納制度についてご説明します。

免除されていた国民年金保険料を追納したほうがいい理由とは

もくじ

・国民年金の免除・猶予とは

・国民年金を払っていなかった期間があると、後々どうなるの?

・国民年金の追納とは

・追納をしたほうがいい理由をシミュレーション!

国民年金の免除・猶予とは

国民年金の免除・猶予とは

日本に住んでいる20歳から60歳までの人は、国民年金保険の加入者として年金保険料を支払う必要があります(会社員の人は、厚生年金保険に加入していれば国民年金にも加入していることになります)。

 

しかし、なかには厚生年金に加入しておらず、国民年金保険料を支払うのが難しいという人もいるでしょう。たとえば、収入のない学生や就職がなかなか決まらない人などです。そういう人たちのために、国民年金には猶予や免除といった制度があります。

 

所得が低い学生は、申請をして認められることで「学生納付特例制度」を利用できます。また、本人と配偶者の所得額が一定以下で50歳未満の場合は、「納付猶予制度」を利用して、納付を猶予してもらうことが可能です。

 

どちらの場合でも、10年以内であれば追納ができますし、納付猶予期間は国民年金を受け取るために必要な受給資格期間に含まれます。

 

一方、本人、配偶者、世帯主の所得額が一定以下の場合や失業して収入が途絶えてしまった場合は、本人が申請書を出して承認されることで、全額、3/4、1/2、1/4のいずれかの免除を受けられます。この場合は、免除された金額に応じて一部の年金を将来受け取ることができますが、全額を納付した場合に比べると金額は少なくなります。

国民年金を払っていなかった期間があると、後々どうなるの?

国民年金を払っていなかった期間があると、後々どうなるの?

国民年金免除や猶予制度の申請・承認を受けないまま国民年金を支払っていない期間があった場合、将来年金を受け取れなかったり、年金の受取額が低くなってしまったりします。国民年金は、10年以上加入していないと受け取ることができません。そのため、国民年金を払っていない期間が長く、加入期間が10年を下回ると年金が支給されないのです。

また、受取額についても、加入期間が満額受け取れる40年加入の場合を下回ると、その分どんどん減っていってしまいます。

 

これを防ぐためには、国民年金保険料を欠かさず納めることが大切です。何も届け出をしていない場合に国民年金保険料を納められるのは、2年以内です。これを超えると納付ができなくなるため、速やかに納付しましょう。

 

一方、申請をして猶予・免除を受けた場合は、その期間を受給資格期間に算入することができますし、10年以内なら追納をすることも可能です。

国民年金の追納とは

国民年金の猶予や免除を受けた場合は、10年間に限り保険料の追納をすることが可能です。追納は、古い猶予や免除分から行うことになり、追納する金額は猶予や免除を受けた年度の保険料に応じて決まります。

 

ただし、猶予や免除を受けてから追納するまでに3年以上経過している場合は、規定の加算額が加わることになります。

追納をしたほうがいい理由をシミュレーション!

追納をしたほうがいい理由をシミュレーション!

40年納付した場合、受け取れる年金額は、1年あたり77万9,300円(2018年の金額の場合)です。それでは、免除を受けた場合の受取額と、追納した場合のシミュレーションを見てみましょう。

 

・2008年度から2010年度まで納付猶予を受けていた場合

受け取れる年金額は、1年あたり約74万335円(2018年の金額で計算)です。追納する場合の納付額の合計は36万5,160円(3年以上後に追納する場合は規定の加算があるため、正確にはこの金額ではありません)で、その場合は40年全額納付した場合の77万9,300円全額が受け取れることになります。

 

1年あたりの受取額の差は3万8,965円で、追納分の元が取れるのは約9.3年後ということになります。つまり、65歳から国民年金を受け取った場合、75歳で納付分の元が取れるということです。

 

・40年全額免除となった場合

受け取れる年金額は、2018年の場合で1年あたり38万9,700円です(2分の1支給の場合。2009年3月分までの免除がある場合、その分については3分の1)。

 

このうち、2009年度から2018年度までの10年分を追納した場合、納付額は205万8,360円になります(3年以上後に追納する場合は規定の加算があるため、正確にはこの金額ではありません)。そうすると、77万9,300円÷480ヶ月×120ヶ月=19万4,825円について、半額ではなく全額支給されることになるため、年間約9万7,412円支給額が増加します。

 

つまり、追納分の元を取るまでにかかる年数は約21.1年かかるということです。76歳を超えれば、追納した元が取れるということですね。

 

 

細かい計算は、免除を受けた年や支給年によって異なります。しかし、どの場合でも、一部の年金が支給される「免除」の場合は、元を取るまでにかかる年数が「猶予」よりも長くなります。とはいえ、人生100年時代と言われ、長生きリスクが注目を集める昨今です。将来に備えておくのは決して悪いことではないでしょう。

  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


この記事をチェックした人にはコチラ!

LINE友だち追加

関連記事