住宅ローン控除で住民税が戻ってくるケースとは?計算方法と手続きも解説

更新日:2019/05/20

住宅を購入すると、固定資産税や毎月のローンの利息が家計の負担になります。このとき住宅ローン控除を利用することで所得税が安くなり、税金が還付される(戻ってくる)場合があります。ただし所得税が安くなると同時に、住民税はどうなるのでしょうか。

住宅ローン控除で住民税が戻ってくるケースについて、簡単な計算方法と手続きをあわせて解説します。

住宅ローン控除で住民税が戻ってくるケースとは?計算方法と手続きも解説

もくじ

・住宅ローン控除とは

・住宅ローン控除は住民税を免除してくれる?

・住宅ローン控除の計算方法

・住宅ローン控除の適用条件

・住宅ローン控除を受けるための手続き

・確定申告のやり方

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除は、正式には「住宅借入金等特別控除」と呼ばれます。住宅ローンを借りてマイホームを新築するか購入した際に、納めた所得税が戻ってくる制度です。計算方法は後述しますが、簡潔に言うとローンで家を建てる、あるいは買ったら税金が返ってくることになります。

 

つまり住宅ローンを借りずに現金一括で購入すると住宅ローン控除は使えず、さらに10年以上のローンを組む必要があります。また新築に限らず条件を満たせば、中古やリフォーム工事にも適用されます。

住宅ローン控除は住民税を免除してくれる?

住宅ローン控除は住民税を免除してくれる?

住宅ローン控除で最初に戻ってくる税金は所得税です。サラリーマンであれば基本的に支払う税金は所得税と住民税の2つ。個人事業主であればほかにも事業税や消費税、印紙税などさまざまな税金がありますが、ここでは省略します。

 

住宅ローン控除ではまず所得税が戻り、次に住宅ローン控除を使って差引ききれなかったぶんが住民税の減額に当てられます。具体的な例を見てみましょう。

 

例:Aさん(サラリーマン)

所得税10万円、住民税20万円、住宅ローン控除25万円だった場合

【計算式】

Aさんの所得税=10万円(所得税)-10万円(住宅ローン控除)=0円

Aさんの住民税=20万円-15万円(住宅ローン控除25万-10万)=5万円

 

上記のように、所得税で使い切れなかったぶんの住宅ローン控除が住民税に当てられます。もし全額が所得税の控除に使われれば、住民税が差引かれることはありません。

住宅ローン控除の計算方法

住宅ローン控除の計算方法

住宅ローン控除の計算では、年末時点での住宅ローン残高の1%が税額控除額(税金が安くなる額)になります。たとえば2018年5月に銀行から3,000万円を借り入れて家を建て、2018年12月末時点での借入残高が2,960万円だったとしましょう。

2,960万円×1%=29万6,000円

この場合は、29万6,000円が2018年の住宅ローン控除額です。年末時点での借入残高は、借入している銀行から残高証明書として郵送されるため、なくさないようにしましょう。年末調整や確定申告で必ず必要です。

 

住宅ローン控除で差引きしきれなかった場合、住民税に対して特別な書類など必要か?

所得税を計算する際の住宅ローン控除で差引ききれなかったぶんは、自動的に住民税の減額に当てられます。何か特別な書類を出したり、新しい申告書類を作成したりする必要はありません。

 

住民税の計算は、通常お住まいの市町村(市役所)で行うもの。市役所には税務署から確定申告や源泉徴収票などが送られてきます。その書類をもとに住民税を計算するため、すでに出すべきものは出していることになるのです。

 

もちろん年末調整や確定申告をしなければ、住民税の控除を受けることができません。あくまでも所得税に対して適切な処理を行った場合、住民税に対して個人で何か特別な対応をする必要はないという意味です。

住宅ローン控除の適用条件

どんな物件でも住宅ローン控除が受けられるわけでありません。新築、中古ともに控除となる適用条件があります。

 

(新築の場合)

・新築または取得日から6ヶ月以内に入居

・借入者の合計所得金額が3,000万円以下

・ローンの返済期間が10年以上

・登記簿に記載されている床面積が50平方メートル以上

・床面積の1/2以上が自己の居住用であること

 

(中古物件の場合)

・新築の適用条件のほかに、下記の条件を満たす必要あり

・マンションなどの耐火建築物は、所得の時点で築25年以内であること

・耐火建築物以外は取得の時点で築20年以内であること、あるいは一定の耐震基準をクリアしていること

・生計を一にする親族などからの購入ではないこと

・贈与された住宅でないこと

 

また中古の場合、あまりにも古すぎる物件に関しては住宅ローン控除が受けられない可能性があるので注意しましょう。住宅ローン控除の限度額は40万円です。つまり4,000万円以上の借り入れをしても、最高40万円しか住宅ローン控除は受けられません。

 

生活資金の計画を立てるときに、住宅ローン控除によって還付される所得税をあてにすることもありますが注意しましょう。

住宅ローン控除を受けるための手続き

住宅ローン控除を受けるための手続き

住宅ローン控除を受けるには、最初の年だけ税務署にて確定申告しなければなりません。2年目からは年末調整だけで住宅ローン控除が受けられますが、1年目は自分で確定申告をする必要があります。準備しておくべき書類を以下にまとめました。

 

【確定申告時に必要な書類】

・確定申告書

・(特定増改築等の場合)住宅借入金等特別控除額の計算明細書

・個人番号カード(マイナンバーカード)、もしくはマイナンバーの通知書のコピー

・建物・土地の登記事項証明書

・建物・土地の不動産売買契約書のコピー

・源泉徴収票(会社からもらえます)

・住宅ローンの残高証明書(銀行から郵送されます)

・耐震基準適合証明書または住宅性能評価書のコピー(新築では必要ありません)

 

1年目の確定申告では、住宅ローン控除を受ける翌年の2月16日~3月15日の間に確定申告をする必要があります。たとえば2018年に住宅ローン控除を受けるのであれば、2019年の2月16日~3月15日に確定申告を行うということです。

 

2年目からは、「給与所得者の住宅借入金等特別控除申請書」が税務署から送られてきます。その書類と銀行から送られてくる「住宅ローンの残高証明書」の2つを勤務先に提出すれば完了です。大変なのは1年目だけなので、忘れず手続きを済ませておきましょう。

確定申告のやり方

確定申告は書類で提出する方法と、e-tax(電子申告)の2パターンです。書類の場合は、税務署で確定申告書(A)と、住宅借入金等特別控除額の計算明細書をもらいましょう。電子申告であれば国税庁のHPから指示に従っていけば、書類を提出したことになります。また国税庁HPで確定申告書を作成し、印刷して書面提出も可能です。

 

ここでは国税庁HPで作成し、書面で提出した場合の確定申告のやり方を解説します。

 

 

【確定申告の流れ】

1.国税庁HP「確定申告書作成コーナー」をクリック

2.「印刷して書面で提出する」をクリック

3.「利用規約に同意して次へ」をクリック

4.「所得税の作成」をクリック

5.「給与・年金の方」をクリック

 

6.源泉徴収票をもとに指示に従って記入

7.住宅ローン控除を受ける場合、下記の画面で住宅借入金等特別控除にチェック

8.源泉徴収票の入力に、住宅借入金等特別控除の額を入力する箇所がありますが、1年目はこれから計算するため空欄

9.入力の指示に従うと、住宅借入金等特別控除額を計算するページに移動

10.「住宅借入金等特別控除額を入力する」をクリック

 

11.質問事項の「翌年分以降に年末調整でこの控除を受けるための証明書が必要ですか?」には、忘れず「はい」をクリックしてください。これにより次の年から年末調整で住宅ローン控除が受けられます。

12.住宅に関することを入力(契約書や登記簿があると入力が楽になるでしょう。)

13.画面の指示に従って完成

14.税務署に提出分と自分の控えの2部印刷

15.印刷をしたものに捺印し、必要書類を添付して税務署に提出

 

住宅ローン控除は所得税だけでなく、控除しきれなかったぶんが住民税に適用されるお得な制度です。家計を楽にするためにも、家を買ったのであれば住宅ローン控除は忘れずに利用したいもの。確定申告のやり方がわからないときは、税務署に相談しましょう。電子申告の登場のおかげで、税務署も昔ほど混雑していません。使える制度はぜひ賢く節税に役立ててみてください。

  • 著者:ニコニコマネーさん

    関西圏在住。
    不動産と会計に携わる仕事をし、その後独立しました。
    現在はFPの資格を活かしながらライターの仕事をしています。
    少しでも分かりやすい記事の執筆を心がけています。


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