冷夏か猛暑か。2019年夏の振り返りと経済への影響について

更新日:2019/10/08

平成最後となる昨年の夏は「災害級の暑さ」と呼ばれるほどの猛暑でした。連日のように猛暑日になる地方もあり、熱中症で死亡する人が出るほどでした。一方で広範囲に被害をもたらした豪雨が昨年夏のことだったことを記憶している人も多いはずです。まさに異常気象の様相を呈する夏でした。では、今年2019年の夏はどうだったのか。2019年夏の気象と、それが経済に及ぼす影響を紹介します。

冷夏か猛暑か。2019年夏の振り返りと経済への影響について

2019年度の夏は平年並みだった?

2019年度の夏は平年並みだった?

2019年の夏は、雨が降ったかと思うと急に気温が高くなる不安定な気象が続いています。気象庁の予想によると、2019年の気温予想はほぼ平年並み。沖縄奄美に関しては平年並みかそれ以上です。

 

この「平年並み」という言葉はよく使われていますが、どのような意味なのか知らない人も多いでしょう。平年並みとは過去30年間の平均です。基準となる期間は10年ごとに更新されるため、現在は1981年から2010年の30年間を基準にして算出しています。つまり、ここ数年はこの平年並みに含まれていません。近年猛暑が続いていますが、それは平年並みに含まれていないため、平年並みとはあまり高い気温ではないのです。

 

冷夏は平年の気温を下回る夏を指します。21世紀で冷夏となったのは、なんと2003年と2009年だけです。特に2009年は熱帯夜となることも少なく、コンビニではおでんの発売が前倒しになるなどの影響が見られました。過ごしやすくてありがたい冷夏ではありますが、猛暑の翌年は冷夏になりにくいことが知られています。実際、7月は低温で日照不足だったものの、8月以降は熱帯夜が続き猛暑日も増えました。

気候はどうやって予測している?

気候はどうやって予測している?

2019年7月上旬は前年と比べると拍子抜けするような過ごしやすい気温が続きました。この原因として考えられるのが、太平洋高気圧が弱まったことです。結果として涼しい風をもたらす低気圧が日本列島上にとどまって、気温が低く日照が少ない状態になりました。

 

夏の気温は高気圧の動きによってある程度予測することができます。夏の天気を大きく左右するのが日本の南にある太平洋高気圧。この太平洋高気圧が張り出すと、晴天となり蒸し暑くなります。

 

さらにチベット高原に中心があるチベット高気圧も夏の天気に影響を与えます。2018年は太平洋高気圧が北西に張り出し、一方でチベット高気圧が東に張り出したため、日本列島が高気圧に覆われました。その結果、まれに見る暑さとなったのです。

 

逆に太平洋高気圧の張り出しが弱くなると冷夏になります。その原因のひとつがエルニーニョ現象です。これはペルー沖の海面温度が高くなる現象のことですが、その影響で日本列島付近の太平洋高気圧の張り出しが弱まります。冷夏だった2009年もエルニーニョ現象が発生していました。

 

ただし、エルニーニョ現象が起きなくても冷夏になることがあります。例えば1993年は太平洋高気圧の張り出しが弱くて、8月になっても梅雨前線が日本にとどまっていました。このことが原因で米が不作となって平成の米騒動が起きたのは記憶している人もいるのではないでしょうか。

 

天候はある程度予測できるものの、予測が裏切られることも多々あります。天候は経済にどのような影響を与えるのでしょうか。

冷夏と猛暑ではこう違う!?影響範囲について

冷夏と猛暑ではこう違う!?影響範囲について

その年によって天候は大きく違います。経済活動もその影響を避けることができません。今回は特に株式をメインにして影響を受けるものを紹介しましょう。

 

・農業関連株

冷夏になることで、まず影響があるのは農業関連株です。農業で不作になると値上げや利益減少が予測されます。そのため農業業界全体で設備投資も控えられてしまうでしょう。株式の銘柄としては、種や苗を販売しているサカタのタネ<1377>やベルグアース<1383>が関連します。さらに農薬関連株として日本農薬<4997>なども天候の影響を受けやすいでしょう。

 

・飲食品関連株

暑い夏とくればビールや清涼飲料水がイメージされます。熱中症対策としてペットボトル飲料が売れるようになるため、飲料品メーカーにも注目しましょう。具体的にはサントリー食品インターナショナル<2587>やアサヒグループホールディングス<2502>、コカコーラボトラーズJP<2579>などの銘柄が意識されます。逆に冷夏の場合は売れ行きが下がってしまうと予想されるでしょう。

 

・花粉症関連株

夏と花粉症の関係に疑問を持つ人も多いかもしれません。しかし、猛暑になると花粉症の原因となるスギがすくすくと育ち、その結果、翌年の花粉飛散量が多くなるのです。逆に冷夏になると日射量が減るため雄花が少なくなり、翌年の花粉量が減ると考えられます。花粉症関連の業種は幅広く、マスクや鼻炎薬といった花粉対策製品を扱う企業はたくさんあります。マスク販売のユニ・チャーム<8113>や花粉対策の目薬を作っているロート製薬<4527>、洗眼液や鼻洗浄液などを手掛ける小林製薬<4967>などが関連銘柄です。

 

 

株式投資で大切なのは先読みです。どのような夏になるのかを予想することで、今後の株価も予測できます。まるで連想ゲームをするように気候に関係する銘柄を調べることが、これから急騰する銘柄の見極めに役立つでしょう。

  • 著者:Y.Oさん

    株や社会情勢に興味を持ち、証券会社入社。
    在籍中にファイナンシャルプランナー2級を取得し、個人の資産運用への理解を深める。
    退社後に結婚と出産。
    現在は二人の子どもを育てながらライターとして活動中。


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