住民税は節税できる?住民税の種類や控除額の計算方法をやさしく解説

更新日:2019/11/08

毎月の給与から天引きされている社会保険料や税金の中に、「住民税」があります。住民税は、一体どのように決まっているのでしょうか?住民税の基礎知識と、住民税を節税するための方法についてご説明します。

住民税は節税できる?住民税の種類や控除額の計算方法をやさしく解説

住民税とは

住民税とは

所得税が国に納める税金であるのに対し、住民税はそれぞれの人が1月1日時点で住んでいる自治体に対して納めるものです。年の途中で引っ越しをした場合でも、1月1日に住所を登録していた自治体に納めます。住所が変わったからといって、その年の住民税の納付先が変わることはありません。

 

会社員の場合、毎年の年末調整で1年間の所得額と所得税額が決まります。この年末調整の結果は、会社を通して各地方自治体に送られ、翌年の住民税計算の元になります。

 

つまり、住民税は前年の所得額に応じて決まるということです。そのため、年の途中で大きく収入が減った人や仕事を辞めた人には、住民税の負担が大きく感じられる可能性があります。あらかじめ税金がかかることを想定して資金計画を立てておきましょう。

住民税の種類

住民税には、「市民税」と「都道府県民税」の2つがあり、それぞれに「所得割」と「均等割り」という2つの種類があります。

 

均等割りというのは、すべての人に平等にかかる税金です。住民税非課税世帯の人や、そもそも所得がない人以外は、全員が均等割りを支払う必要があります。

 

一方の所得割は、課税所得額に応じてかかる税金です。これは、どの自治体であっても市民税と都道府県民税の合計が10%になるよう定められています。

住民税の節税に役立つ!「控除」とは

住民税の節税に役立つ!「控除」とは

均等割り額は最初から金額が決まっているものですから、住民税を節税するためには、所得割額をできるだけ減らす対策が必要です。

 

会社員の場合、所得割額は下記のステップによって求められます。

 

1. 収入に応じて給与所得金額が決まる
2. 給与所得金額-所得控除の額=課税所得金額
3. 課税所得金額×税率(10%)=所得割額

 

収入、給与所得金額、税率は個人が操作することのできないものです。つまり、所得割額を減らす対策とは、「所得控除の額」をできるだけ増やすことなのです。

住民税の所得控除の種類

住民税の所得控除の種類

住民税の所得控除には、次のようなものがあります。これらの控除は、多くが自分で申告しなければ受けられないものです。該当する人は忘れずに申告しましょう。

 

・医療費控除

医療費の金額のうち、10万円を超えた金額(総所得金額が200万円未満の場合総所得金額の5%)が控除されます。

 

セルフメディケーション税制を利用した場合は、スイッチOTC医薬品の購入金額のうち、1万2,000円を引いた金額が控除されます。

 

上記2つのうち、どちらかを選択してください。両方申告することはできません。

 

・扶養控除

扶養家族がいる場合、年齢や続柄、同居の有無などに応じて33万円もしくは45万円の控除が受けられます。

 

・配偶者控除、配偶者特別控除

配偶者と本人の所得額に応じて、1万円~33万円の控除が受けられます。

 

・社会保険料控除

年金や健康保険などの社会保険料は全額が控除対象です。

 

・生命保険料控除

生命保険料を支払った場合、最高3万5,000円が控除されます。具体的な控除額は、指定の計算式に支払額を当てはめて計算されます。

 

・地震保険料控除

地震保険と旧長期損害保険も控除対象です。控除額の上限は2万5,000円で、支払金額を計算式に当てはめると実際の控除額がわかります。

 

・小規模企業共済等掛け金控除

支払った掛け金の全額が控除対象です。

 

・障害者控除

本人や扶養親族が障害者の場合、続柄と障害の程度に応じて26万円~53万円の控除が受けられます。

 

・勤労学生控除

本人が学生の場合、所得が一定以下なら26万円の控除が受けられます。

 

・寡夫、寡婦、特別の寡婦控除

寡婦、寡夫の控除額は26万円です。子どもを扶養していて合計所得金額が500万円以下の寡婦(特別の寡婦)は30万円の控除が受けられます。

 

・雑損控除

災害などの被害を受けた場合、損失額から保険金等による補てん額を差し引き、そこからさらに総所得金額の10%を引いた金額、もしくは災害関連で支出した金額から5万円を引いた金額のうちの、どちらか多い方が控除されます。

 

・基礎控除

課税所得額を計算するにあたって、すべての人に適用されるのが基礎控除です。現在、基礎控除の額は33万円ですが、2020年からは43万円に引き上げられます。その一方、合計所得金額が2,400万円を超える人は控除額が引き下げられる予定です。

 

・ふるさと納税

ふるさと納税では、限度額を超えない限り、利用した金額の合計から2,000円を超えた金額が全額、所得税と住民税から控除されます。

 

例)年間所得400万円の人が1年間に3万円分ふるさと納税をした場合、自己負担額は実質2,000円です。残り2万8,000円分については、所得税の還付や住民税の減額という形で節税できます。

 

また、ワンストップ特例を利用した場合は、所得税の控除はなくなり、全額が翌年の住民税からの減額という形で還元されます。

詳細は楽天ふるさと納税公式ページから確認できます。自分の寄付上限額がいくらになるか簡単にシミュレーションすることができるので、一度チェックしておいたほうが良いでしょう。

 

年末調整で還付金を受け取れる所得税とは違い、住民税はどれだけ節税をしても、翌年の税額がその分少なくなるだけですから、「節税できている」という実感が薄いかもしれません。しかし、控除の対象を見逃さずに申告することで、確実に翌年の支払額を減らすことができます。申告漏れがないよう、年末調整や確定申告は慎重に行いましょう。

  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


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