投資信託にかかる税金は?計算方法をチェック

更新日:2019/11/26

投資信託も他の金融商品と同じように利益が出れば税金を支払う必要があります。しかし、投資信託で利益が出るタイミングによって、税金上の扱いも変わります。投資信託にかかる税金の種類やその計算方法をまとめました。

投資信託にかかる税金は?計算方法をチェック

投資信託の税金の計算方法

投資信託の税金の計算方法

金融商品を取引していて税金がかかるのは利益が確定したタイミングです。投資信託の場合、利益が確定するタイミングは3種類あります。売却して利益が出たとき、分配金が支払われたとき、そして投資信託が満期償還となったときです。

まずは売却したときにかかる税金についてみてみましょう。投資信託を売って利益が出た場合は、譲渡益に対して所得税15%と住民税5%に加え、2037年までは復興特別所得税0.315%を加算した合計20.315%の税率をかけた税金を支払うことになります。譲渡益は売却金額から購入にかかった費用や手数料を差し引いたものです。満期償還となる場合も、償還時の単価が取得単価を上回っている場合は、その償還益に対して同じように課税されます。

分配金に対しても20.315%の税率で源泉徴収による課税がおこなわれます。ただし、分配金には普通分配金と特別分配金があり、課税されるのは普通分配金の場合のみです。特別分配金は非課税のため、普通分配金よりもなんとなくお得なように聞こえるかもしれません。しかし、これは残念ながら間違いです。特別分配金は基準価格が元本を下回ったときの元本からの払戻金分。事実上元本を取り崩して支払われるため利益とみなされず、税金もかかりません。

例えば投資信託を購入して分配金が出たものの、基準価格は元本を下回っているケースを考えてみましょう。その場合、分配金が出たとしても、元本超過分以外は利益が出たとは言えません。そこで利益とは言えない部分は、元本払い戻しとみなし非課税の特別分配金として扱うことにしたのです。つまり、同じ額の分配金が出たとしても投資信託を買ったタイミングによって特別分配金と普通分配金の額が変わることになります。

投資初心者には特定口座がオススメ

投資初心者には特定口座がオススメ

投資信託の税金は、分配金に関しては源泉徴収されて課税関係が終了するため、確定申告は必要ありません。一方で譲渡益や償還益は原則確定申告をする必要があります。しかし、どれだけの利益が出たのか自分で計算して納税するのは手間も時間もかかってしまうでしょう。そこで便利なのが特定口座(源泉徴収あり)です。

特定口座(源泉徴収あり)で取引している場合は、課税関係が自動的に計算されて終了するため確定申告も必要ありません。その年の譲渡損益を通算して源泉徴収をおこなってくれる仕組みです。もしも利益が出て一度税金が差し引かれた後に、今度は損失が出たという場合は、徴収した税額から還付してもらうことができます。

損益通算することも可能

損益通算することも可能

確定申告が面倒、時間がないという人は特定口座(源泉徴収あり)を選択することで、自分では何もしなくても自動的に課税関係を終了させることができます。ただし、場合によっては確定申告をした方が得なケースもあるので押さえておきましょう。

・複数の金融機関で損益通算する
特定口座は金融機関ごとの口座で、それぞれの口座内で損益通算します。複数の特定口座を持っていて、その一つが大きい損失を出した場合、口座内では通算しきれないことが起こりえます。そのようなときは金融機関をまたいで損益通算することができますが、そのためには確定申告が必要です。例えばA銀行では投資信託で利益が出たものの、B証券の株取引では損失が出たというような場合に、両者の損益を通算したいときは確定申告します。

ただし投資信託と損益通算できるのは、日本株のほか外国株やETF、J-REITなどの金融商品です。外貨預金やFXは損益通算できないので注意しましょう。

・売却損の繰越
損失が出た場合、その年の利益だけでは通算しきれないことがありますが、そのような場合はその年に通算しきれなかった分を繰越して、課税対象となる将来の売却益から差し引くことができます。50万円利益が出たものの、100万円の損失が出たというような場合、50万円の利益は損益通算することで税金を減らせます。しかし、それでもまだ引ききれなかった損失は翌年以降3年間にわたって繰り越すことができるのです。この損失の繰り越し控除を利用する場合も確定申告が必要です。

・配当控除を利用して分配金の節税
投資信託の普通分配金や株式の配当金は源泉分離課税されるため、通常は源泉徴収で一律に天引きされて課税が終了します。しかし、総合課税を選択し配当控除を使って確定申告することで税金を減らせる可能性もあります。総合課税を選ぶと20.315%という固定税率ではなく所得に合わせた累進課税となりますし、控除も受けることができるからです。投資信託の分配金や株の配当を総合課税で確定申告するときには、所得税や住民税から一定額を控除する配当控除という制度もあります。

今までは所得税で配当控除して税金が減っても、住民税が上がってしまうというようなケースもありました。しかし、所得税と住民税それぞれ別の課税方式が選べるようになり、所得税は配当控除が使える総合課税、住民税は税率の低い源泉分離課税を選ぶことで税金を最大限減らすことも可能です。

ただし、この方法が有利になるかどうかはその人の所得や控除によって違います。実際に節税となるかどうかは、自分の収入や利用している控除をもとにシミュレーションする必要があるでしょう。

特定口座と一般口座の違いに関しては詳しい解説があります。自分はどちらを選べば良いかを検討するときの参考にしてみてください。

  • 著者:Y.Oさん

    株や社会情勢に興味を持ち、証券会社入社。
    在籍中にファイナンシャルプランナー2級を取得し、個人の資産運用への理解を深める。
    退社後に結婚と出産。
    現在は二人の子どもを育てながらライターとして活動中。


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