遺族年金は誰がどのくらい貰える?対象者や計算方法を解説

更新日:2019/11/29

毎月の給与から天引きされる「年金保険料」を負担に感じる人もいるでしょう。しかし、年金は老後の備えというだけでなく、もしものときに遺された家族の生活を支えてくれるものでもあるのです。 万が一のとき、遺族年金がどのくらいもらえるのかを知っておくことは、生命保険などの備えがどのくらい必要なのかを考えるときにも重要です。遺族年金について知っておきましょう。

遺族年金は誰がどのくらい貰える?対象者や計算方法を解説

遺族がもらえるふたつの年金~遺族基礎年金と遺族厚生年金

遺族がもらえるふたつの年金~遺族基礎年金と遺族厚生年金

遺族年金というのは、年金保険料を支払っていた人が亡くなった後、その人に生計を支えられていた家族が受け取ることのできる年金のことです。

家族が亡くなった後の備えには、「生命保険」もあります。しかし、生命保険をいくらかけるべきなのかを考えるときは、まず、遺族年金がいくら受け取れるのかを知らなければいけません。遺族年金の額を知り、不足する分を生命保険で補うというのが生命保険の考え方の基本なのです。

遺族年金には、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、それぞれ貰える人の要件が違います。次の段落で詳しく見てみましょう。

遺族年金が貰えるのはどんな人?

遺族年金が貰えるのはどんな人?

遺族基礎年金と遺族厚生年金について、それぞれどのような人が受け取れるのか、まとめました。

・遺族基礎年金が受け取れる人
遺族基礎年金が受け取れるのは、下記のAおよびBの条件を満たす人です。なお、「生計を維持されていた」というのは生計がひとつであったという意味とほぼ同義で、共働き夫婦の配偶者が亡くなった場合も該当します。

A:遺族が下記のいずれかに該当する
・亡くなった人に生計を維持されていた配偶者(子どもがいる場合のみ)
・亡くなった人に生計を維持されていた子ども
(ここでいう子どもとは、18歳の年度末を迎える前、あるいは20歳未満で障害年金の等級が1級か2級の子)

B:亡くなった人が下記のいずれかに該当する
・基礎年金(国民年金のこと。厚生年金加入者も含まれる)の加入期間が25年以上ある人で、保険料納付済期間または免除期間が加入期間の3分の2以上の人
・2026年4月1日前に65歳未満で亡くなった人のうち、死亡した月の前々月までの1年間の保険料を滞納していない人

・遺族厚生年金が受け取れる人
遺族厚生年金が受け取れるのは、下記のAおよびBの条件を満たす人です。なお、遺族基礎年金の条件にも該当している人は両方を受け取れます。

A:遺族が下記のいずれかに該当する
・亡くなった人に生計を維持されていた妻(30歳未満で子どもがいない場合は5年のみ受給可能)
・亡くなった人に生計を維持されていた子ども、孫
(ここでいう子どもとは、18歳の年度末を迎える前、あるいは20歳未満で障害年金の等級が1級か2級の子)
・亡くなった人に生計を維持されていた55歳以上の夫、父母、祖父母(支給開始は60歳からですが、遺族基礎年金を受給中の夫は遺族厚生年金も受給可)

B:亡くなった人が厚生年金加入中か、加入中の傷や病気が元で初診から5年以内に亡くなった場合で、下記のいずれかに該当する
・基礎年金の加入期間が25年以上ある人で、保険料納付済期間または免除期間が加入期間の3分の2以上の人
・2026年4月1日前に65歳未満で亡くなった人のうち、死亡した月の前々月までの1年間の保険料を滞納していない人
・老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある人
・1級か2級の障害厚生(共済)年金受給資格者

遺族年金で貰える金額は?

遺族年金で貰える金額は?

実際に遺族年金で貰える年金額はどのくらいなのでしょうか。遺族基礎年金と遺族厚生年金それぞれについて見てみましょう。

・遺族基礎年金
78万100円+子の加算/年

子の加算は、第1子と第2子が各22万4,500円、第3子以降は各7万4,800円で、子どもが遺族基礎年金の受給者になる場合は、第2子以降について加算されます。また、受給者の子どもが複数いる場合は、年金額を子どもの数で割った金額が一人当たりの受給額です。

・遺族厚生年金
(平均標準報酬月額×0.7125%×2003年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×0.5481%×2003年4月以降の被保険者期間の月数)×(4分の3)

もしくは

(平均標準報酬月額×0.75%×平成15年3月までの被保険者期間の月数+平均標準報酬額×0.5769%×平成15年4月以降の被保険者期間の月数)×0.998(1938年4月1日以前に生まれた場合は1.000)×(4分の3)

のうち、高い方の金額が採用されます。なお、月数が300月に満たない場合300月として計算します。

遺族厚生年金の額の計算式はとても複雑ですが、簡単にいうと、亡くなった人が受け取れるはずだった年金額の4分の3です(ただし、加入月数が300月に満たない場合は300月分)。

なお、夫が亡くなった時点で40歳以上65歳未満、生計を一にしている子どもがいない妻については、65歳になるまでの間、58万5,100円/年が加算されます。また、子どもが18歳になった年度末を過ぎたなどの理由で遺族基礎年金が受給できなくなった場合も同様です。

遺族年金の申請方法

遺族年金の申請方法

遺族年金の申請は年金事務所でします。必要書類は下記の通りです。

・マイナンバーがわかるもの(記入をすることで必要書類を減らせます)
・遺族年金をもらう人と亡くなった人の年金手帳
・戸籍謄本(記載事項証明書)
・高等学校等在学中の場合は在学証明書または学生証等
・市区町村長に提出した死亡診断書(死体検案書等)のコピーまたは死亡届の記載事項証明書
・受取先金融機関の通帳等(本人名義)
・印鑑

その他、状況によって別の書類が必要となる場合があるので、詳しくは年金事務所に問い合わせましょう。

家族が亡くなるというのは大変なことですが、将来の生計を維持していくためにも、必要な手続きは滞りなく進めなければいけません。何をすべきかをあらかじめ意識しておくことが大切です。

また、楽天証券iDeCo(個人型確定拠出年金)のような決まった額を積み立てて、その資金を自分で運用しながら老後に備える年金もあります。さらに節税にもなるので、気になった方は詳細を確認してみるのも良いでしょう。

  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


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