扶養内のパート・アルバイトの年末調整の書き方を見本付きで解説

更新日:2019/12/06

扶養内でパートやアルバイトをしている人は、年末調整をする必要があるのでしょうか?年末調整をしなければいけないのはどのような人なのか、また、年末調整をしなければいけない場合、どのように書類を書けばいいのかをまとめました。

扶養内のパート・アルバイトの年末調整の書き方を見本付きで解説

年末調整はパート・アルバイトにも必要?

年末調整はパート・アルバイトにも必要?

年末調整というのは、「1年間にいくら稼いだのかをまとめて、所得税を計算し直し、月々の給与から差し引かれていた所得税に過不足があればそれを調整する」という手続きです。

つまり、年末調整をしないと、所得税を正しく納められない可能性が出てきてしまうということですね。そのため、年末調整は「会社に雇用されて給料をもらっている人のうち、年収が2,000万円以下の人は原則として全員行う」ということになっています(災害減免法の適用を受けた人を除く)。もちろん、扶養内でパートやアルバイトをしている人も、年末調整をしなければいけません。

2018年に改正された配偶者控除・配偶者特別控除

「配偶者控除」や「配偶者特別控除」というのは、自分自身の所得と配偶者の所得が一定以下のときに控除を受けられるという制度です。所得が38万円以下の場合は配偶者控除、38万円を超える場合は配偶者特別控除が適用されます。

・2017年までの配偶者控除・配偶者特別控除
自分自身の所得 配偶者控除は制限なし、配偶者特別控除は1,000万円以下
配偶者の所得 0円~76万円が対象
控除金額 3万円~38万円(配偶者が70歳未満の場合)

・2018年からの配偶者控除・配偶者特別控除
自分自身の所得 1,000万円以下
配偶者の所得 0円~123万円以下
控除金額 1万円~38万円(配偶者が70歳未満の場合)

なお、配偶者控除や配偶者特別控除は、「扶養内でパート・アルバイトをしている人が年末調整をするとき」ではなく、「扶養内でパート・アルバイトをしている人の配偶者が年末調整をするとき」に関係するものです。つまり、扶養内でパート・アルバイトをしている妻と会社員の夫の夫婦がいた場合、配偶者控除・配偶者特別控除の申告をするのは「夫」のほうです。

見本付き・年末調整の書き方

見本付き・年末調整の書き方

年末調整書類は4枚ありますが、扶養内でパート・アルバイトをしている人が提出する書類はどれかということ、またそちらにどう書き込むのかということについてご説明します。

給与取得者の扶養控除等(異動)申告書

・給与取得者の扶養控除等(異動)申告書
氏名、印鑑、生年月日、世帯主の氏名、あなたとの続柄(配偶者が世帯主の場合「夫」または「妻」)、住所、配偶者の有無を記入します。

この申告書は、年末調整を行う人すべてが提出するものです。たとえ特に申告するようなものがない人でも、上記を記入して提出しましょう。

給与所得者の配偶者控除等申告書

・給与所得者の配偶者控除等申告書
扶養内でパート・アルバイトをしている人の年末調整の場合、基本的に書く必要はありません。

給与所得者の保険料控除申告書

・給与所得者の保険料控除申告書
生命保険、介護保険、個人年金、地震保険、国民年金、国民健康保険、小規模企業共済等(iDeCoなど)に加入している人が記入する用紙です。

年末が近くなると、加入している保険会社等から「保険料控除証明書」が送られてくるので、内容を用紙に転記します。民間保険については計算が必要なのでやや面倒ですが、計算式も用紙の下部に書いてあるので、指示に従って計算しましょう。

ただし、小規模企業共済等以外の申告は、家族が行うこともできます。扶養内のパート・アルバイトの場合、そもそも所得税がかからない場合もありますから、配偶者が申告したほうがメリットが大きいケースがほとんどです。

給与所得者の保険料控除申告書

一般的な会社員と扶養内パートの夫婦の場合、扶養内パートの人が申告したほうがいいのはおおよそ下記のケースに該当する場合です。

・生命保険…年間の掛金合計が8万円を超える(「新」と書かれたもの)とき、超えた分(「旧」と書かれたものの場合、10万円を超える部分。両方ある場合は計算式に当てはめて控除額が4万円になるまでを配偶者が、残りの扶養内パートをしている人が申告しましょう)
・介護保険…年間の掛金合計が8万円を超えるとき、超えた分
・地震保険…年間の掛金合計が5万円を超えるとき、超えた分(旧長期に該当しない場合。旧長期の場合は2万円を超えるとき、超えた分)
・国民年金と国民健康保険…扶養内パートの場合は配偶者が申告したほうが得な場合がほとんどです。
・小規模企業共済等…扶養内パートの人自身が申告します。本人以外の申告が認められていないからです。


・住宅借入金等特別控除申告書
住宅ローン控除を受けている人だけが提出する書類で、該当しない人はそもそも申告書をもらうこともありません。

扶養内でパート・アルバイトをしている人でも、自分の名義で借りた住宅ローンがあり、控除の対象になるのであれば記入する必要があります。ただし、パート・アルバイトで住宅ローンを借りるということはあまりないので、記入の必要はない場合がほとんどでしょう。「住宅ローンを借りている」という家でも、配偶者名義であれば自分自身の年末調整には関係ありません。

もし、会社員時代に借りた住宅ローンが残っているのであれば、銀行から送られてくる「年末残高証明書」と、「住宅借入金等特別控除申告書」の下部の「令和○○年分 年末調整のための(特定増改築等)住宅借入金等特別控除証明書」に書かれた内容を申告書の空欄部分に転記します。

扶養内でパート・アルバイトをしている人は、多くの場合、「扶養控除等(異動)申告書」に氏名や住所等を記入するだけで、それ以外の記入をする必要はありません。しかし、状況によっては記入したほうが得になる場合もあります。それぞれの人の状況によって、どのように申告すると得になるのかが変わるため、「こういう場合はどうだろう?」と思ったら、税務署に電話をして聞いてみましょう。

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参考サイト

国税庁|年末調整の対象となる人 2019.11.29
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/gensen/2665.htm

国税庁|配偶者特別控除 2019.11.29
https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1195.htm

  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


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