2019年10月1日に消費税は10%に。消費税増税後の景気動向や問題点は?

更新日:2019/12/10

2019年10月1日から、消費税が10%になりました。導入の前日から当日にかけてスーパーやコンビニでは、値札の交換やレジの対応などの準備に追われたようです。日付が変わる午前0時を跨いで24時間営業のお店を利用する場合など、どのように税率切り替えの対応をするのかも話題になりました。

今回の増税では軽減税率の制度が導入されましたが、複雑に感じる方もいるでしょう。また景気の先行きが不透明な中での増税ということで、不安な点があるかもしれません。ここでは増税後の問題点を確認しつつ、家計での対処法について考えていきたいと思います。

2019年10月1日に消費税は10%に。消費税増税後の景気動向や問題点は?

始まった消費税10%生活

始まった消費税10%生活

簡単に消費税の歴史を振り返ってみましょう。最初に消費税が導入されたのは、1989年(平成元年)4月1日です。当時の税率は3%でした。5%への引き上げが行われたのは、1997年(平成9年)。2014年(平成26年)からは、消費税率が8%になり、この2019年(令和元年)10月に税率10%の時代がスタート、という流れになっています。

今回の消費税率引き上げによる増収分は、社会保障の充実に使われます。具体的には、幼児教育・保育・高等教育の無償化、介護職員の処遇改善、年金生活者支援給付金の支給などです。子育て・介護・年金といった社会保障の費用を、全世代で負担するという考え方に沿ったものです。

2019年10月1日に新しい税率が始まり、しばらくの間さまざまなトラブルが見られました。あるコンビニ大手ではレジの更新がうまくいかず、請求金額が過大になりました。また鉄道各社でも、自動券売機で乗車券が買えないといった障害があったようです。システム切り替え作業での、ミスが原因と言われています。

慣れない軽減税率

慣れない軽減税率

今回導入された軽減税率も、トラブルの一因となっているようです。現在の消費税率は10%が標準税率ですが、お酒や外食をのぞく飲食料品や新聞には8%の軽減税率が適用されます。「お酒をのぞく」という部分は判断するのが簡単かもしれませんが、「外食をのぞく」という部分での判断が難しいようです。

たとえばファストフード店でのテイクアウトは、軽減税率8%の対象となります。ピザの宅配も軽減税率の対象です。しかし、コンビニやスーパーの中にあるイートインスペース利用の場合は外食扱いとなり、10%の標準税率が適用されます。持ち帰る場合と、店内で飲食する場合とで税率が異なることが混乱の原因になりました。

適用する税率をどちらにするかは、販売時点で判断されます。その判断は、売り手が顧客に意思の確認をすることで行われます。イートインかテイクアウトかという質問に対する答えによって税率が決まるということです。

増税から1カ月景気はどうなった?

増税から1カ月景気はどうなった?

消費税の増税実施前から、増税による景気への影響を心配する声がありました。2019年10月8日に内閣府が発表した9月の景気ウォッチャー調査によれば、現在の景気の状況を示す数字は、2カ月連続で上昇しています。その一方で、景気の先行きがどうなるかという判断を示す数字は3カ月連続の低下となっています。増税後の景気が不安視されていたということです。

2019年10月8日の経済財政・再生相による記者会見では、同年10月1日~6日の食料品と日用雑貨品の販売総額が、前年比で11%減ったという数字が示されました。ちなみに前回の2014年における増税では、19%の減少だったとのことです。同じ日に、百貨店を経営する企業の決算発表が行われました。発表の中では、10月に入ってからの既存店売り上げが、前年比で2割以上の減少で推移していることが明らかにされています。やはり売り上げへの影響は避けられなかったようです。

景気への懸念に対しては、政府がいくつかの対策を講じています。住宅の購入に関しては、住宅ローン減税の控除期間を3年延長し、すまい給付金を引き上げ、自動車についても、自動車税の税率引き下げや、環境性能割といった臨時的な軽減措置がとられています。また普段の買いものについては、軽減税率とともにキャッシュレス決済でのポイント還元があるので、その効果に注目したいところです。

今後の増税との付き合い方

今後の増税との付き合い方

増税が実施された場合、まずは自分の具体的な負担増がどのくらいになるのか把握することが必要です。毎月の支出を見ると、消費税に関しては標準税率が適用されるもの、軽減税率が適用されるもの、非課税のものがあります。標準税率が適用される金額に2%をかけて算出された金額が負担増分です。1カ月の支出全体が30万円の場合、月4,000円程度の支出増になるとの試算もあります。

その一方で考慮すべきなのが、負担軽減額の存在。世代や収入によってさまざまですが、子育て世帯では幼児教育の無償化によって、負担が軽減されるケースがあるでしょう。また、低所得者層では、高等教育無償化で大きな恩恵を受けるかもしれません。高齢者では、年金生活者支援給付金を受け取れる場合があります。

日本総研が行った試算では、年収1,000万円未満の二人以上の勤労者世帯で、負担増分と軽減措置を合計すると、受け取り超になるとしています。負担額が増えるのは、年金世帯、単身勤労者世帯とのことです。負担超となる場合、とくに節約などの対策が必要となるでしょう。

2019年10月1日から実施された、消費税率10%への引き上げ。冷静に家計への影響を把握し、対応することが重要です。今回の増税対策で注目されたのが、キャッシュレス決済でのポイント還元。クレジットカードや電子マネー、スマホ決済をするとポイントが受け取れるというものですが、2020年6月で終了する予定です。しかしキャッシュレス決済時には、政府のポイント還元事業とは関係なく、普段から独自にポイント還元がなされます。還元率が高いものを選んで使い続けることも、一つの増税対策となるでしょう。

楽天カードは、通常時でも還元率1%の高還元率を誇るクレジットカードです。また、楽天Edy楽天ペイと併用することでさらにポイントが貯まるので、キャッシュレス決済を始めてみたい!という方におすすめです。

参考サイト

・内閣府|景気ウォッチャー調査(令和元年9月調査結果)2019.12.5
https://www5.cao.go.jp/keizai3/2019/1008watcher/watcher1.pdf

・日本総研|世帯タイプ別にみた消費増税の影響 2019.12.5
https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/researchfocus/pdf/11118.pdf

  • 著者:黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。
    関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。


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