財閥があるのは日本だけじゃない!世界各地の財閥について解説
更新日:2020/02/05日本には以前、財閥があったことをご存じの方は多いでしょうが、外国には日本でも馴染みのある財閥が今でも存在します。今回は、日本にかつて存在した財閥に触れながら、世界の財閥についてもご紹介していきましょう。

財閥とは

財閥とは、簡単にまとめると「あるお金持ちの家族が、様々な業種の企業を経営し、市場を独占している企業グループ」のことをいいます。第二次世界大戦以前、日本の財閥は持株会社の制度を利用して巨大な企業グループ(いわゆるコンツェルン)を形成し、日本の経済を引っ張っていきました。
例えば銀行や自動車工業、造船、小売り、電気など、経済における主要な部門が財閥絡みでした。また、財閥は国家権力と密接な結びつきがあり、戦前・戦中の政治経済に大きな影響を与えていたのです。
財閥解体
財閥は国家権力、特に軍部と深い結びつきがあったため、第二次世界大戦後に連合国軍総司令部(GHQ)によって解体されてしまいました。GHQの目的は、日本が二度と戦争を起こさないよう、そしてまた、財閥解体後の市場開放によって日本経済が民主化されることとしていました。
財閥は1945年、GHQの占領政策によって第一次指定から第五次指定にわたり、規模の大きな財閥から順に解体されていきます。また、財閥解体が完了する1947年には独占禁止法が成立。持株会社の設立は禁止され、コンツェルン型財閥を作れなくしました。
ただ、1997年の独占禁止法の改正によって純粋持株会社の設立が許可されたため、財閥の企業グループはまたある程度集結できるようになり、現在も三井、住友、三菱などの名前が残っています。
日本の四大財閥

日本で特に規模の大きな財閥といえば「三井財閥」「三菱財閥」「住友財閥」の3つですが、この3つの財閥に加え「安田財閥」も含めて四大財閥とも呼ばれます。
・三井財閥
江戸時代の商人であった三井高利の生業としていた呉服店と両替商が発端となり、三井越後屋(現在の三越)を創業したのが三井財閥の始まりです。三井住友銀行をはじめ、トヨタ自動車やサッポロビール、サントリー、三国コカ・コーラボトリングも三井グループの系列です。
・住友財閥
住友財閥は世界の財閥の中でも最も古い歴史があります。平家一門を祖先に持つといわれている住友家が、室町時代に京都で書籍と薬を扱う「富士屋」として創業したことが始まりです。その後、泉屋の商号で銅銀商を営むようになり、江戸時代になってからは、貿易商、両替商も同時におこなって住友財閥を築き上げました。現在では住友製薬、住友大阪セメント、住友商事のほか、三井住友銀行や三井住友海上など、三井系のグループとも業務提携をおこなっています。
・三菱財閥
三井、住友財閥は200年以上の歴史がありますが、三菱財閥は歴史が浅く明治期に岩崎弥太郎が三菱商会を創立したのが始まりです。三菱商会は、その後政商として海運業を独占し、造船業・鉱業・鉄道・貿易といった広い分野に進出していきました。現在は、三菱商事、三菱重工業、三菱UFJ銀行など、現在の三菱グループがその流れを汲んでいます。
・安田財閥
安田善次郎が26歳だった1866年に、両替専業の安田商店を開業したことが安田財閥の始まりです。一時期、安田財閥は日本最大の金融資本に成長し、他の財閥の追随を許さないほどでした。現在は損害保険ジャパン日本興亜、東京海上日動火災保険、みずほ証券、明治安田生命などに受け継がれています。
世界の財閥

日本の四大財閥を見てきましたが、今度は世界の財閥をご紹介していきます。
・サムスングループ(韓国)
韓国最大の財閥といわれているのがサムスングループです。サムスンといえば世界シェア第一位のスマートフォンを思い浮かべますが、「三星商会」として設立した当時は、主に食品や衣服を販売する企業でした。
現在は時代のニーズを汲み取り、電子・科学・金融などの事業を展開して韓国経済を引率する企業へと成長しています。
・ロックフェラー財閥(アメリカ)
ロックフェラー財閥は、アメリカの三大財閥のひとつともいわれている財閥です。スタンダードオイルの創設者であるジョン・D・ロックフェラーと、ジョンの弟でありシティ銀行(現在のシティグループ)創設者のウィリアム・ロックフェラーから発展しました。主な関連企業はシティバンク、メリルリンチ、エッソ、GMキャピタルなどがあります。
・ロスチャイルド財閥(イギリス)
ロスチャイルド家の歴史は世界の金融の歴史ともいわれるほどの影響力があるロスチャイルド財閥。ドイツフランクフルトのユダヤ人居住区出身のマイヤー・アムシェル・ロスチャイルドがロンドンで銀行家として成功した後、5人の息子がそれぞれヨーロッパ各所で銀行業を拡大させました。
・ロッテ(韓国)
お菓子メーカーとしてお馴染みのロッテは、在日韓国人である重光武雄氏(韓国名は辛格浩)が東京都で創業したのが始まりです。現在はお菓子だけではなく、テーマパークやホテルなどを運営しています。
日本の財閥、世界の財閥をご紹介してきました。身近な企業が実は財閥の系列企業だったということがあるのかもしれませんね。
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著者:ことりえさん
奈良県在住のフリーライターです。
長年、企業で経理事務をしてきた経験とFP資格を生かしてお金に関する記事を執筆しています。
専門用語を使わず、わかりやすく書くことを心がけています。
趣味はファイナルファンタジー。
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