経常利益と営業利益の違い、解説できる?決算に関する重要用語を解説

更新日:2020/02/14

会社の決算書で重要視される経常利益。利益に関する項目は、経常利益の他にも営業利益や純利益があり、どれも会社の経営状況を示していますが、それぞれ意味や計算方法が異なります。ここでは決算書を理解する上で欠かせない経常利益の意味を、営業利益や純利益との違いに注目しながら説明します。

経常利益と営業利益の違い、解説できる?決算に関する重要用語を解説

経常利益とは

経常利益とは

まずは経常利益について説明しますが、営業利益・純利益についても触れるので、それぞれの違いを確認してください。

・経常利益とは
経常利益とは、企業が展開しているすべての事業で発生した年間の利益を合算したものです。企業が展開しているすべての事業とは、本業と本業以外のサービスを指します。本業と本業以外の例をわかりやすく紹介します。

例)家具の小売り業務が本業の場合
●本業:家具の仕入れから販売
●本業以外:不動産など本業と無関係のビジネス

経常利益の大きな特徴は、本業だけでなく本業以外の収支も含めるため、正確に経営状況を把握できる項目の1つです。ただし、経常利益の「経常」は一定の状態を示す言葉で、経常利益に例外的な収入・費用は含めません。

・営業利益とは
営業利益とは、本業で得た利益のみを指します。例えば家具を販売している企業の場合は、家具の販売で得た利益が営業利益です。

営業利益が大幅に黒字化しているときは企業の中心事業が伸びていることを、赤字化しているときは損失が発生していることを示しています。

・純利益とは
純利益とは、各事業年度(1年間)の利益から、すべての費用を差し引いて算出した利益を指します。具体的には、経常利益から例外的に得た利益を足し、損失を差し引いて、さらに税金を差し引いたものです。例外的な利益や損失とは、特別収益・特別損失と呼びます。

純利益は、各利益の中でも企業に残る最終的な利益を示していますが、単体で経営成績を把握することは難しいこともあるため気を付けましょう。

・経常利益と営業利益の違い
経常利益と営業利益の違いは、何を利益として含めているかという点です。

営業利益は企業の本業で得た利益のみを指しますが、経常利益は本業の利益と本業以外の事業で得た利益も含めます。そのため同じ企業の利益でも金額が大きく変わります。

例)家具の販売が本業、太陽光発電事業がサイドビジネスと仮定
●家具販売の利益1億円、太陽光発電事業の利益が5,000万円
●営業利益:1億円(費用などはわかりやすくするため省略)
●経常利益:1億円+5,000万円=1億5,000万円

どちらも決算書に記載される項目ですので、混同しないよう気を付けましょう。

・経常利益と純利益の違い
経常利益が事業の経営成績を表すのに対し、純利益は事業年度末に残った利益を表します。経常利益を見れば事業全体の年間利益を一目で確認できますが、純利益は事業以外で発生した一時的な利益・損失もすべて含めるため、そこからは正確な業績が把握できません。

ただし、事業年度末時点で、どのような収支状況か確認するために純利益は役立ちます。現時点でどの程度資金(キャッシュ)が残っているか把握できるため、次年度の事業運営を予想する上で参考になります。

経常利益、営業利益の計算方法

経常利益、営業利益の計算方法

経常利益と営業利益の計算方法はどのようになるでしょうか。それぞれが示す目的が違うため、計算に含める項目も変わります。

・営業利益の計算方法
営業利益を求めるときは、以下の計算式を活用します。

売上総利益-販売費・一般管理費

売上総利益は、事業年度の売上から売上原価(実際に売れた商品個数分×仕入れ費)を差し引いたものです。そして、販売費・一般管理費とは、多数の項目(勘定科目)で構成されています。

●販売費:営業活動に発生した費用、広告宣伝費や通信費・運搬費など
●一般管理費:企業の運営にかかった経費の総称、光熱費や役員報酬・消耗品費など

・経常利益の計算方法
経常利益を求めるときは、以下の計算式を活用します。

営業利益+営業外収益-営業外費用=経常利益

営業利益は前の項目で紹介しました。営業外収益とは、本業以外で得た利益の総称で、営業外費用は本業以外で発生した費用を指します。

●営業外収益:本業以外の利益。事業収入(サイドビジネス)だけでなく利息収入や外貨預金による差益など
●営業外費用:本業以外の費用。借入金で発生した利息や雑損失など

経常利益、営業利益から見る会社の経営状況

経常利益、営業利益から見る会社の経営状況

最後に、経常利益・営業利益・純利益から、どのように経営状況・経営成績を見ることができるのか理解しましょう。

・経常利益と営業利益から見る経営状況
経常利益と営業利益を比較することで、本業と本業以外の業績がどのように変化しているかわかります。

例えば経常利益が黒字化していて、営業利益が赤字化しているとします。ここから読み取れるのは、「本業の業績が何からの問題で悪化している」ことと「別事業や利息収入などで経営を維持している」ことの2点です。

また、以下に営業利益と経常利益の基本的な関係性をまとめました。

●営業利益が赤字、経常利益が黒字:本業の赤字を別の事業利益でカバーしている
●営業利益が黒字、経常利益が赤字:本業は順調だが別事業の赤字や利息費用などが大きい

・経常利益と純利益から見る経営状況
経常利益と純利益の比較で、年度末時点でどの程度利益が残っているか、経営を支えているかがわかります。

例)
●経常利益:赤字
●純利益:黒字
●事業収入が減少していて、利益を生み出させない経営状況

例えば上記のように、経常利益が赤字にもかかわらず最終的に黒字化している場合は、一時的な収入で経営を支えていることがわかります。

経常利益は、本業(企業の中心事業)と本業以外の収入を合算した利益ですが、営業利益は本業の利益のみを示したものです。各利益のみで企業活動の総合的な分析はできませんが、複数の項目を比較することで企業がどのような経緯で黒字化・赤字化しているのかわかります。決算から正確な経営状況を読み取るためには、複数の項目・金額を比較することが大切です。

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今後、これらの知識をもとに、会社の決算発表をご覧になるとさらに理解を深まることでしょう。また決算発表前と後で株価の動きも気になるところ。楽天証券のマーケット情報を一緒にチェックしみるのも面白いですよ。

  • 著者:菊地 祥さん

    専業ライターの菊地です。
    株式・投資信託8年目。
    もっとお金やライフプランについて知りたいと思い、2018年にFP技能士3級を取得しました。
    現在は2級取得を目指して勉強中です。
    お金に関するあらゆる専門知識を、分かりやすく説明します。


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