源泉所得税の計算方法は?所得税との違いなどやさしく解説

更新日:2020/02/17

会社勤めの方なら誰もが目にする給与明細。その給与明細には「源泉所得税」と呼ばれる項目があり、給与から毎月差し引かれていることがわかります。源泉所得税があることで、従業員は確定申告する必要がありません。ここでは、源泉所得税の意味や仕組み、所得税との違いから、課税対象、計算方法に至るまで詳しく紹介します。

源泉所得税の計算方法は?所得税との違いなどやさしく解説

源泉所得税とは

源泉所得税とは

まずは源泉所得税の意味と仕組み、どのような場面で用いられているのか解説します。

・源泉所得税は給与から天引きされる所得税
源泉所得税は、会社に雇用されている従業員の給与や、個人への外注時などにかかる税金です。代表的な源泉所得税は、給与にかかるケースで、企業が各従業員の所得から所得税を計算・徴収し、毎月納税手続きを行います。年末に所得税の払い過ぎや不足分を調整するのが「年末調整」です。

国にとっては、確定申告だけで所得税を徴収するよりも、確実かつ正確に徴収できるというメリットがあります。

・源泉徴収される所得
源泉所得税の対象となる所得は、給与所得だけではありません。源泉徴収される所得は次のようなものです。

個人の場合
●給与所得
●退職所得
●利子所得
●配当所得
●公的年金
●報酬など(個人事業主や税理士、弁護士、司法書士などが報酬を受け取る場合)

・源泉所得税に関するルール
源泉所得税は原則として、所得を支払った(源泉所得税を天引きした)月の翌月10日までに納付しなければいけないと定められています。しかし、納付をする企業が10人未満の小規模事業者(個人事業主含む)で、税務署長の承認を受けることができれば、所得税法第216条により年2回の納付に変更可能です。

例)通常の源泉所得税の納付スパン
1.従業員へ給与を2020年1月20日に支払う
2.源泉所得税の納付期限は2020年2月10日

例)特例が認められた場合
●2020年6月と12月に6カ月分の源泉所得税を納付

源泉所得税と所得税の違い

源泉所得税と所得税の違い

続いては、源泉所得税と所得税にどのような違いがあるのか、制度や税率から見ていきましょう。

・制度が違う
所得税は、課税所得のある個人が確定申告期間に1年間の所得を申告してから納付するものです。しかし場合によっては、従業員の給与のように、報酬や給与を支払う側が源泉徴収し、代理で所得税を納付することが義務付けられています。これが源泉所得税と呼ばれる所得税の仮払制度です。

・税率が違う
所得税の税率は、所得に応じて税率が変化する累進課税方式を採用しています。一方、源泉所得税は状況によって変わります。例えば給与や退職所得以外にかかる源泉所得税は、10.21%の固定税率です。また、給与所得や退職所得は、毎年改定される税額表を基に算出します。

・対象となる所得が違う
源泉所得税が、給与所得や退職所得をはじめ、さまざまな所得を対象としていることは、すでに『源泉所得税とは』の中で説明したとおりです。しかし、すべての所得を対象としているわけではないので、例えば会社員が副業として株式投資をしている場合、源泉所得税とは別に譲渡所得や利子所得を申告することになります。

例)会社員が株式投資で利益を得た場合
●給与や賞与:源泉所得税が適用され、給与や賞与から天引き
●株式投資の売買益:所得税の譲渡所得が適用され、確定申告が必要

源泉所得税の計算方法

源泉所得税の計算方法

ここからは源泉所得税の計算方法を紹介します。源泉所得税は、所得の種類によって計算方法が変わる点に注目です。

・給与から源泉所得税を求める場合
給与から源泉所得税を求める場合は、最初に従業員の扶養親族の数を確認することが必要です。次に、所得(社会保険料を差し引いた金額)を算出して、国税庁が毎年改定・公開している「給与所得の源泉徴収税額表」から、徴収額を求めます。

1.給与所得の源泉徴収税額表、月額:月給制の場合に使用
2.給与所得の源泉徴収税額表、日額:日給制などに使用

「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」を提出している場合は甲欄を適用し、申告書未提出の場合は乙欄を適用します。ちなみに、丙欄は日雇いの場合に適用されるものです。

・賞与から源泉所得税を求める場合
従業員の賞与から源泉所得税を求める場合は、賞与から社会保険料を差し引きます。そして、国税庁が公開している「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」を参考に、税率を確認します。

税率も確認できたら、賞与(社会保険料を差し引いた金額)×税率にて源泉所得税を算出するのが基本的な計算方法です。

給与所得者の扶養控除等(異動)申告書を提出している場合は、「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」の甲欄から税率を求めます。給与所得者の扶養控除等(異動)申告書未提出の場合は、乙欄記載の税率で計算します。

・その他の源泉所得税
退職金の源泉所得税を計算する場合も同じ流れです。退職所得用の税率表を基に、5%~45%の税率(所得に応じて変化する累進課税)を掛けた上で控除額を差し引きます。

また、法人が個人事業主に業務委託した場合の報酬には、10.21%の固定税率を掛けて算出します。ただし、原稿料や講演料は1回5万円以下であれば源泉徴収なしでもかまいません。

源泉所得税は、従業員に給与や退職金を支払う場合、また外部の税理士・弁護士・個人事業主に報酬を支払う場合に適用されます。会社員の多くはあまり意識しないかもしれない内容ですが、給与や賞与・退職金に関わる税金ですので、仕組みについては正しく理解しておきましょう。

─────────────────

源泉所得税など、確定申告の必要な準備についても楽天証券のサイトからご確認いただけます。まだ楽天証券の口座をお持ちでない方はチェックしてみてはいかがでしょうか。

  • 著者:菊地 祥さん

    専業ライターの菊地です。
    株式・投資信託8年目。
    もっとお金やライフプランについて知りたいと思い、2018年にFP技能士3級を取得しました。
    現在は2級取得を目指して勉強中です。
    お金に関するあらゆる専門知識を、分かりやすく説明します。


この記事をチェックした人にはコチラ!

LINE友だち追加

関連記事