老後資金はどうやって貯める?いくら必要?老後に備えるお金の考え方

更新日:2020/03/17

日本人の平均寿命は年々延びているため、「老後」と呼ばれる時期もそれだけ長くなっています。それに伴って、企業の定年が引き上げられたり、再雇用制度が設けられたりしていますが、「そんなに働きたくない!」という方もいるでしょう。老後に無理をして働き続けなくてもいいように、現役時代に老後資金をしっかり貯めておきましょう。

老後資金はどうやって貯める?いくら必要?老後に備えるお金の考え方

老後の生活にはいくらかかる?

老後の生活にはいくらかかる?

普段の生活にいくらかかるのかは、人によって違います。現役時代も、毎月10万円で暮らしている人もいれば、夫婦合わせた手取りが60万円でも足りないという人もいるでしょう。

 

これと同様で、老後の生活にいくらかかるのかも、それぞれの暮らし方によって大きく違います。大切なのは、自分の場合いくらかかるのかを知っておくことです。持ち家なのか、賃貸なのか、毎月の食費はいくらくらいか、介護が必要になった時はヘルパーを頼むのか、施設に入居するのか、それとも子どもと同居するのか……などなど、選択肢によってかかる生活費は大きく異なります。

 

総務省統計局の家計調査(2018年)によると、65歳以上、無職の2人以上世帯の消費支出額は毎月23万7,831円ということです。年間にすると、300万円弱ということですね。これだけあれば十分と思える人もいれば、「2人でたったそれだけ?」と感じる人もいると思います。まずは、自分の希望する生活をキープするために必要な生活費について考えてみてください。

必要な老後資金はいくら?

必要な老後資金はいくら?

必要な老後資金の額も、それぞれの暮らし方によって変わってきますが、ここでは平均的なケースを例にとって試算してみましょう。

 

【夫婦とも国民年金の場合】

「老後の生活にはいくらかかる?」で、65歳以上、無職の2人以上世帯の2018年の消費支出額が年間300万円弱程度だということがわかりました。一方、2018年度の国民年金支給額は年間77万9,300円です。2人だとすると、77万9,300円×2=155万8,600円ですから、必要な金額の半分程度の年金しかもらえないことになります。

 

仮に老後の生活費が300万円、90歳まで生きるとすると、65歳から90歳までの生活費の不足額は、(300万-155万8,600)×(90-65)=3,603万5,000円となります。なんと、3,600万円以上不足してしまうということですね。

 

もちろん、年金の支給額は随時見直されますし、途中でどちらかが亡くなって収支の金額が変わることもあるはずです。とはいえ、国民年金だけで迎える老後は、かなり厳しいものとなるでしょう。

 

【夫婦どちらかが厚生年金の場合】

一方、厚生年金受給者の場合は、支給額が国民年金だけの場合より高くなりますから、不足額は大幅にダウンします。2019年に厚生労働省が発表したモデルケース(夫が平均的な収入で40年間働き、妻が専業主婦の場合の2人分)では、月額の年金額は22万1,504円、年間の年金額は22万1,504×12=265万8,048円となります。同様に老後の生活費が300万円で、90歳まで生きるとすると、65歳から90歳までの生活費として不足するのは、(300万-265万8,048)×(90-65)=854万8,800円です。

 

65歳で退職する時、1,000万円程度の退職金をもらえていれば、90歳までの通常の生活費は工面できるということですね。ただし、介護、入院、自宅のリフォーム等の支出が別途必要になる可能性がありますし、90歳以上まで長生きをするかもしれないと考えると、もう少し余裕を持ちたいところです。

 

【独身・若年者の場合】

シミュレーションは、あくまでも現在の年金額と高齢者の消費支出状況を元に考えているものでしかありません。特に、20代、30代、40代の人にとって、年金をもらうのは数十年先のことですから、その時の制度がどうなっているかは不透明です。

 

また、独身の人も、将来結婚するかどうかはっきりしない、子どもの有無がわからないなど、シミュレーションをする上での不確定要素が大きい場合があるでしょう。

 

このような状態で、「いくらあれば安心」「絶対にいくら必要」というようなことを検討するのは現実的とはいえません。とはいえ、どのような場合でも、できる範囲で老後資金の準備をしておけば、ある程度の安心を得ることができるでしょう。

老後資金の作り方

老後資金の作り方

今は、老後資金を作るために便利な制度がいくつも用意されています。それぞれの特徴を理解して、自分に合ったものを選びましょう。

 

・確定拠出年金

企業型と個人型(iDeCo)の2種類があります。掛金は全額所得控除の対象になります。ただし、老後資金以外の用途で使ったり、途中解約をしたりすることは原則できません。

 

・つみたてNISA

最長20年間、運用益にかかる税金が非課税になる制度です。ローリスクで運用できる商品のみが対象になっているので、投資初心者の人にもおすすめできます。

 

・個人年金

民間の保険会社が提供している個人年金です。10年確定タイプや終身タイプなど、さまざまなものがあります。多くの場合、中途解約すると損をしてしまいます。

 

・養老保険

保障と貯蓄性を兼ね備えた保険です。満期時にまとまった資金を得られますが、途中解約すると損をする場合がほとんどです。

 

・年金財形

会社が財形制度を利用している場合は、年金財形を利用することができます。利率は高くないものの、給与天引きで確実に貯められます。

 

・国民年金基金、付加年金

国民年金に加入している人が利用できる年金上乗せ制度です。老齢厚生年金を受け取れない人におすすめです。

 

・小規模企業共済

自営業者が廃業時にまとまった金額を受け取れます。年金のように分割で受け取ることもできます。

 

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  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


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