日本は富裕層が増えているの?世界の富裕層との差や日本の景気とは
更新日:2020/07/07富裕層という言葉をしばしば耳にします。しかし、どの程度の収入・資産がある人を富裕層と呼ぶのかはご存じでしょうか。ここでは資産運用や経済に関心がある方へ向けて、日本の富裕層、そして世界の富裕層について紹介していきます。資産設計の参考にしてみてください。

どこからが富裕層なのか

まずは、富裕層とはどのような階層を指すのか、その資産規模や特徴について紹介します。
・富裕層は一般的に1億円以上の資産を持っている人
富裕層の定義については、厳密な決まりなどはありません。ただ、一般的には1億円以上の資産を持っている人を富裕層と呼んでいます。1億円以上の資産を持っているとなると、年収1,000万円クラスの仕事に就いている人か、経営者や投資家、もしくは資産家の家系などが考えられますが、比較的限定的です。
これから富裕層になるには、ハイキャリアの職業へ就くためにスキルを磨いて転職するか、資産運用を始めるのが一般的な選択肢と言えるでしょう。起業を視野に入れている方は、経営に関する勉強や準備を進めるのも1つの方法です。
・富裕層は複数に分類される
富裕層は資産規模に応じてさらに細かく分類することもできます。たとえば野村総研は金融資産の保有額に応じて、次のように富裕層を分類しています。
1. 超富裕層:5億円以上の金融資産を保有している
2. 富裕層:1億円以上5億円未満の金融資産を保有している
3. 準富裕層:5,000万円以上1億円未満の金融資産を保有している
4. アッパーマス層:3,000万円以上5,000万円未満の金融資産を保有している
5. マス層:金融資産の額は3,000万円未満
参考:NRI
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2018/cc/1218_1
日本の富裕層の割合は、約2%。つまり100人に2人ほどは、1億円以上の資産を保有しています。しかし、超富裕層に該当するのは、全人口の約0.15%とわずかな数です。
日本の富裕層は増加しているのか?

続いては、日本の富裕層が増加しているのかどうか解説します。
・日本の富裕層は増加傾向
消費税増税や社会保障費の増額など、何かと負担が増えている状況ですが、富裕層は増加傾向です。
●超富裕層:2000年の資産総額43兆円、2017年の資産総額84兆円
●世帯数:2000年時点6.6万世帯、2017年時点8.4万世帯
●富裕層:2000年の資産総額128兆円、2017年の資産総額215兆円
●世帯数:2000時点76.9万世帯、2017年時点118.3万世帯
●準富裕層:2000年の資産総額166兆円、2017年の資産総額247兆円
●世帯数:2000年時点256万世帯、2017年時点322.2万世帯
参考:NRI
https://www.nri.com/jp/news/newsrelease/lst/2018/cc/1218_1
どの資産規模でも、2000年と比較して資産総額が1.5~2倍程度に増加しています。一方、富裕層の世帯数はそれほど増えていません。このことから、富裕層はますます資産を増やしていることがわかります。
・株価の高騰などが要因とされる
富裕層の世帯数と資産額が増えている理由として、主に以下の要因が考えられます。
●株価の高騰:2013年頃から日経平均は上昇傾向
●少子高齢化:高齢者の割合が多く、その分定年退職に伴う退職金運用の増加
●新しい分野への投資や起業:たとえばITは2000年頃から急速に発展し続けている
2008年のリーマンショックで一時的に景気は落ち込みましたが、2013年頃から日経平均・株価は上昇し、資産を増やしやすい状況が続きました。2020年現在(2020年3月5日時点)は、新型コロナウイルスによって景気が冷え込み、先行き不透明感が高まっています。しかし、これまでは金融資産を持つ富裕層が政府・日銀の政策に支えられて、資産を増やしてきたと言って間違いないでしょう。
日本の貧困層

国内の富裕層が増加しているのに比例して、貧困の格差が大きい格差社会に日本はなりつつあります。2016年時点のユニセフの調査によると、日本の相対的所得ギャップは、先進国の中で8位に位置しているという結果が出ています。
日本での貧困とはその国の文化・生活水準と比較して困窮した状態を指し、厚生労働省は「相対的貧困率の算出方法から等価可処分所得の中央値の半分に満たない世帯」を貧困層と定義。貧困層の割合は2003年には14.9%だったのに対し、2011年で16.1%と増加傾向にあります。にもかかわらず、消費税の増加と社会保障の削減が同時に行われている現状がさらに格差を推し進めていると言われています。
厚生労働省の調査結果では、「単身世帯、大人1人と子どもの世帯、2人以上の大人のみの世帯は全体の相対的貧困率の押し上げに寄与する」という記述がありますが、その背景には非正規雇用のシステムによる弊害が垣間見えます。
世界の富裕層とは

ここからは世界の富裕層の定義や割合を解説します。
・世界の富裕層の基準も1億円以上の資産
アメリカでは富裕層の基準を資産100万ドルにすることがあります。日本円にして約1億円です。
2019年の世界の資産保有上位10%に入っている人数を比較すると、中国人が1億人で最も多く、約9,900万人のアメリカを抜きました。しかし、1億円以上の資産を持つ富裕層の数は、中国が440万人であるのに対し、アメリカは1,860万人です。アメリカには世界の富裕層の約40%がいることになります。
日本経済の富裕層への影響

日本の富裕層は年々増加傾向で、資産も増えています。特に2013年頃から株価が上昇しているため、金融資産は自然に増えていく状況です。
一方、富裕層以外は、賃金の下落・消費税増税・社会保障費増加などによって厳しい状況に置かれています。預金金利が低いため、給与所得を預金しておくだけでは資産を増やすこともできません。このような環境で、今後の日本経済はさらに格差が広がり、中間層が減少していく可能性があります。
非富裕層の個人ができることは、最初から富裕層を目指すのではなく、節約をしたり、貯金・ポイントを貯めたりすることです。
たとえば楽天プレミアムカードを利用すれば、楽天市場で1カ月2万円の商品を購入すると、年間で1万2,000円分に相当するポイントを得られます。このように楽天カードを活用して、日々の支出を抑えながら貯金・資産を少しずつ増やしてみてはいかがでしょうか。
参考サイト
・ユニセフ|『イノチェンティ レポートカード 13 子どもたちのための公平性:先進諸国における子どもたちの幸福度の格差に関する順位表』(2016年4月)
2020.7.6
https://www.unicef.or.jp/library/pdf/labo_rc13j.pdf
・厚生労働省|相対的貧困率等に関する調査分析結果について(2015年12月)
2020.7.6
https://www.mhlw.go.jp/seisakunitsuite/soshiki/toukei/dl/tp151218-01_1.pdf
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著者:菊地 祥さん
専業ライターの菊地です。
株式・投資信託8年目。
もっとお金やライフプランについて知りたいと思い、2018年にFP技能士3級を取得しました。
現在は2級取得を目指して勉強中です。
お金に関するあらゆる専門知識を、分かりやすく説明します。
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