顔認証はスマートフォンだけではない!国内外の最新技術とその未来

更新日:2020/04/20

これから身近なものになりそうな最新技術のひとつが「顔認証システム」。カメラに顔を映すと、それがだれなのか自動的に識別するという技術です。お金に関係するところでは、お店で支払いをするときにこの「顔認証システム」を使えば、お財布やスマートフォンを出さずに会計が済むようになると言われています。そのほか街なかでの監視カメラに顔認証を利用することで、セキュリティを高めるといったことも可能になりそうです。ここでは顔認証の技術について、基本的な知識から、現在・未来における活用シーンまでみていきたいと思います。

顔認証はスマートフォンだけではない!国内外の最新技術とその未来

顔認証システムについて

顔認証システムについて

「顔認証システム」は、生体認証技術のひとつです。カメラに映る画像のなかから顔の部分を抜き出し、データベースと照らし合わせることで、人物を識別することができます。生体認証技術には顔認証システムのほかに、指紋・虹彩・音声を利用した認証方法があります。顔認証はほかの認証技術と比べて、相手の協力を必要としないのが特徴です。指紋や虹彩のデータを集めるのは大変ですが、顔認証であれば、カメラで撮影した映像が使えることが利点となっています。

 

顔認証システムが顔を識別する方法についてもみてみましょう。ひとつは顔のパーツが持つ特徴に着目する方法です。顔のパーツには、形に特徴があったり、パーツ同士の位置関係に特徴があったりします。このパーツの特徴を使って、データベースから一致するものを検索することが可能になるというものです。また大量の顔画像データから、標準的な顔データを作っておくという方法もあります。個々の顔データが、標準となる顔データとどう違うかを数値化して取り出し、識別に活用するというものです。

 

最近登場した認識方法に、「3次元顔認識」というものもあります。3次元センサーを使うことで、顔の立体的な情報を取得するものです。鼻の高さや目のくぼみ、あごの輪郭など、平面的な画像からは得られない特徴を取り出すことができるのです。

顔認証とスマートフォン

顔認証とスマートフォン

顔認証技術は、身近なところですでに導入されています。たとえばスマートフォンのロックを解除する際に、顔認証が使えるタイプのものがあります。事前に自分の顔を登録しておくと、スマートフォンに顔を向けるだけでロックが解除され、スワイプして使えるようになるというものです。スマートフォンの安全性を高めたいけれど、パスワード入力は面倒という場合に便利な機能です。

 

このスマートフォンでの顔認証においても、3次元顔認識の技術が使われるようになっています。そのためカメラ以外にも、顔認識用のセンサーがいくつか搭載されているのです。3次元顔認証に必要なのはまず「近接センサー」。本体と顔の距離を測定し、ユーザーがカメラをのぞき込んだことを検知するものです。検知すると「ドットプロジェクター」が数万点の赤外線(IR)を照射し、赤外線を感知する「IRカメラ」によって顔の立体的な情報を測定します。

最新技術

最新技術

最新技術の「顔認証システム」は、日本を含め多くの国で実際に活用されています。いくつかの例をみてみましょう。顔認証を監視カメラと組み合わせて使い、犯罪者の発見や犯罪の防止に役立てるケースが多いようです。

 

アメリカでは2001年におこなわれたアメリカンフットボールの試合で、入場者を顔認証で調べたところ、19人の容疑者を発見できたそうです。日本では大手の書店が万引き防止を目的とした顔認証システムを導入しています。過去に万引きをした可能性がある人が来店すると、検知するというものです。中国には「天網」と呼ばれるネットワークがあり、顔認証システムを組み込んだ監視カメラが1億台以上設置されています。また多くの国で、空港での入国審査に顔認証が利用され始め、日本でも2020年東京オリンピックに向け各空港で準備を進めています。

 

また社会のキャッシュレス化が進むなか、顔認証システムは、支払いの場面でも利用されることになりそうです。顔認証システムを利用した支払いに関しては、スマホ決済の「楽天ペイ」を展開する楽天が実験をおこなっています。実験の舞台となっているのは、完全キャッシュレス化を目指すレストラン。2020年3月19日までの予定で、顔認証決済を試験導入しました。支払いは用意されたタブレットで顔認証決済を選択し、顔を近づけるだけ。将来的には決済を意識しない、店に入って出るだけの「チェックレス」を目指していると言います。

技術進化で拡がる未来

技術進化で拡がる未来

顔認証技術の開発で、世界をリードしているのがNEC。米国国立標準技術研究所(NIST)が主催するベンチマークで、2019年に世界1位となっています。これは数千万人規模の大規模データを使い、顔認証の精度と速度を評価するものです。

 

そのNECが掲げているのは「生体認証を活用した共通のID」というコンセプト。たとえば、海外からの旅行客が空港で顔情報を登録しておくと、そのあとの移動や買い物の決済、ホテルのチェックインやレンタカー利用の際の身分証明は、顔情報だけで完了するというものです。さらに食事のメニューは、画面をのぞき込めば適切な言語で表示されことになります。最初に顔情報を登録するだけで、あとは決済も身分証明も自動。近い将来に実現しそうな、新しい旅行の形です。

 

このようにセキュリティや決済、旅行といった分野で普及が進んでいく顔認証システム。料金の支払いは、現金からキャッシュレス、そして顔認証システムを活用した「チェックレス」へと展開していきそうです。もしキャッシュレス決済が未体験であれば、スマートフォンを使った「楽天ペイ」を試してみるのが良いでしょう。

  • 著者:黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。
    関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。


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