厚生年金保険料の計算方法は?具体例と共に詳しく解説!

更新日:2020/04/30

会社員の人は、毎月の給料から厚生年金保険料が引かれているはずです。この厚生年金保険料は、それぞれの人ごとに違いますし、同じ人でも、引かれる月によって変わることがあります。そこで、厚生年金保険料とはそもそもどのような保険料で、一体どのように計算されているものなのかをまとめてご紹介します。

厚生年金保険料の計算方法は?具体例と共に詳しく解説!

厚生年金保険料とは?

厚生年金保険料とは?

厚生年金保険料とは、会社に勤めている人が加入する「厚生年金」の保険料のことです。

 

それでは、厚生年金とはどういうものかというと、これは、日本の年金制度の「2階部分」と言われているものです。

 

日本では、20歳以上60歳未満の人は、全員が国民年金に加入しなければいけないと定められています。厚生年金は、この国民年金に上乗せされる年金制度のことで、厚生年金に加入している場合、将来、加入状況に応じた厚生年金と、国民年金の両方を受け取ることができます。

 

厚生年金保険料の中には国民年金保険料も含まれているため、厚生年金に加入している人は、別途国民年金保険料を納める必要はありません。

 

なお、会社勤めをしている人でも、月の収入が低い人など、厚生年金の加入要件を満たさない人は、厚生年金に加入することができません。このような人は給料から厚生年金保険料を徴収されることもありませんが、自分で国民年金保険料を納める必要があり、将来受け取れる年金も国民年金のみとなります。

 

ちなみに、20歳から60歳までの間、数年間だけ厚生年金に加入していたという場合でも、加入状況に応じた厚生年金を受け取ることができます(国民年金を一定以上の期間納めている人のみ)。たとえ1カ月でも会社に正社員として入社し、厚生年金保険料を支払っていれば、その保険料が無駄になるということはないのです。

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料の計算方法

厚生年金保険料は下記の手順で計算されます。

 

1. 標準報酬月額を求める
2. 標準報酬月額に厚生年金保険料の保険料率を掛ける

 

標準報酬月額というのは、簡単に言えば、受け取った給料の平均月額のことです。毎年4月から6月までの平均で求める「定時決定」と、基本給などの固定的な給与が変わったときに、変わった月から3カ月の平均によって求める「随時改定」の2種類の制度によって求められます。標準報酬月額を計算する際は、実際に受け取った交通費や残業代も含めることに注意してください。

 

なお、標準報酬月額は等級によって区分されていて、どの等級に該当するかによって厚生年金保険料が決まります。2020年3月現在の保険料率は18.30%ですが、会社が厚生年金保険料の半額を負担することになっているため、会社員が実際に負担するのは9.15%です。

 

具体的な標準報酬月額と厚生年金保険料の一覧表は、日本年金機構のホームページで公開されています。

 

平成29年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表:
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/20170822.files/1.pdf

 

過去の厚生年金保険料額表:
https://www.nenkin.go.jp/service/kounen/hokenryo-gaku/gakuhyo/index.html

事例別に解説!厚生年金保険料を払うとき・払わなくて良いとき

事例別に解説!厚生年金保険料を払うとき・払わなくて良いとき

会社員であっても、厚生年金保険料が免除されるケースが3つあります。

 

ケース1:月の途中で入退社したとき

厚生年金保険料は日割りすることがありません。月の途中で入退社した場合の扱いは下記の通りです。

 

月の途中で入社:入社した月の厚生年金保険料を支払う
月の途中で退社:退社する月の前月分まで厚生年金保険料を支払う

 

ただし、いつの給与から保険料が徴収されるかは、それぞれの会社の規定によって異なります。たとえば当月徴収ではなく翌月徴収の場合は、入社月は徴収がなく、退社月は徴収されます。

 

なお、厚生年金保険料を支払わなくて良い月は、代わりに国民年金保険料を支払うことになるので、切り替え手続きを忘れないようにしましょう。

 

ケース2:産前産後休業や育児休業中


産休や育休中は、厚生年金保険料の支払いが免除されます。免除手続きは、本人の申請によって会社が行うことになります。実際の手続き方法等については、勤務先に確認しましょう。

 

ケース3:高齢になったとき


国民年金は60歳になると保険料を支払う必要がなくなります。一方、厚生年金は、年齢に左右されず、会社に勤務しているかどうかが支払いの判断基準になります。

 

すでに、法律で65歳までは雇用の機会を与えなければならないと義務づけられていますから、60歳ではなく、65歳まで働く人も多いでしょう。このような場合は、厚生年金保険料も65歳まで支払うことになり、その分、将来受け取れる年金額も高額になります。

 ただし、70歳を超えた場合は、厚生年金への加入要件を満たさなくなるため、それ以降は会社勤めをしていても厚生年金保険料を支払う必要はなくなります。

 

会社員は国民年金と厚生年金、ふたつの年金に加入することになりますが、それでも、老後の生活費に不安がある人も少なくないでしょう。そこで、おすすめなのが、iDeCoの活用です。

 

iDeCoは、自分で拠出金を運用して老後に備えられる制度で、拠出金は全額が所得控除の対象になります。ただし、原則60歳まで解約できない、手数料がかかるといったデメリットもあるので、十分特徴を理解してから申し込みましょう。

 

なお、会社員の場合は、会社を通して加入できる「企業型確定拠出年金」を利用できる場合もあります。あわせて確認してみてください。

  • 著者:平林恵子さん

    人事労務関係の仕事からライターへ転身。
    経験を活かしてコラム執筆を行っています。
    2017年、見識を深めるためにFPの資格を取得しました。
    税金や給与計算などに詳しくない方にもわかりやすい解説を心がけています。


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