自転車保険が義務化に!都道府県ごとに違う制度と保険に入る意味とは

更新日:2020/05/07

自転車保険への加入を義務化する流れが進んでいます。事故を起こした場合、被害者に対する損害賠償の額が大きいものになるというのが理由です。加害者となったとき、保険に加入してなければ、賠償が十分にできない可能性も出てきます。保険加入は被害者の生活を守ることにもつながるのです。ここではこれまでに起こった自転車事故での高額な賠償の例や、各都道府県での義務化の状況、これからスタートする東京都でのケースなどをみていきたいと思います。

自転車保険が義務化に!都道府県ごとに違う制度と保険に入る意味とは

自転車の事故とは、どのようなケースが想定されるの?

 自転車の事故とは、どのようなケースが想定されるの?

自転車の事故では、被害者への賠償が高額になるケースが増えてきていて、保険なしでは対応できないほどのものになっています。いくつかの自転車事故とその賠償額の例を確認しておきましょう。

 

神戸地方裁判所が平成25年7月に出した判決では、自転車事故の加害者に9,520万円の賠償を命じています。小学5年生の少年の自転車が坂道を下るときに、62歳の女性と衝突しました。この事故で歩行者の女性は意識不明となっています。

 

平成20年6月に東京地方裁判所が出した判決においては、賠償金の額が9,266万円となっています。男子高校生が運転する自転車が、車道を斜めに横断していました。その自転車が、対向車線を自転車で直進していた24歳の会社員に衝突。この事故で会社員には、言語機能を喪失するなどの重大な障害が残ることになりました。

 

さいたま地方裁判所が平成23年11月に出した判決では、1,706万円の賠償金支払いが命じられました。この事故は、女性が自転車で歩道を通行している際に、路地から歩いて出てきた35歳の女性に衝突したというものです。歩行者の女性は骨折しました。

 

普段気軽に乗っている自転車ですが、事故を起こした場合の結果は重大で、賠償額が大きなものになっているのがわかります。損害賠償額の内訳も多岐にわたります。たとえば死亡慰謝料。これは事故で被害者を失った遺族が負う、精神的な苦痛に対するものです。また事故で死亡しなかった場合・後遺症を負わなかった場合に得られていたはずの収入に対しては、逸失利益を賠償します。ほかにも治療費や介護費用、休業による損害などについても賠償する責任を負うことになるのです。

都道府県ごとに違う、自転車保険の義務化とは

都道府県ごとに違う、自転車保険の義務化とは

自転車保険の義務化は、2015年10月に兵庫県で導入したのが始まりです。現在では、加入が義務となっている自治体、努力義務となっている自治体、2020年4月から義務化される自治体などに対応が分かれています。

 

2020年2月現在での、各都道府県での状況を確認してみましょう。自転車保険への加入が「義務」となっている自治体は12あります。仙台市、埼玉県、神奈川県、長野県、静岡県、金沢市、名古屋市、兵庫県、滋賀県、京都府、大阪府、鹿児島県です。

 

12の自治体では加入を「努力義務」としています。北海道、茨城県、千葉県、群馬県、富山県、和歌山県、鳥取県、香川県、徳島県、高知県、福岡県、熊本県です。

 

そして2020年4月から、自転車保険への加入が「義務」となる自治体は3つあります。東京都、奈良県、愛媛県です。自転車事故が増加し、賠償額も高くなっていることから、加入義務化の流れはこれからも続くことになるでしょう。

 

義務化の対象となるのは、その地方自治体の地域で自転車に乗る人です。義務化されていない自治体に住んでいても、自転車に乗る場所で加入義務があればそれに従う必要があるので注意が必要です。なお加入が「義務」や「努力義務」となっている自転車保険ですが、今のところ加入しないことへの罰則は規定されていません。

 

では自転車保険の義務化に対応するには、どのような保険に入っていればよいのでしょうか。条例では、自転車で事故を起こした場合に、相手に賠償ができる保険を求めています。必ずしも「自転車保険」という名称である必要はなく、自動車保険や火災保険にオプションで追加できる「個人賠償責任保険」で十分です。いずれの場合でも、支払われる保険金額は十分か、家族のどこまでの範囲が補償されるか確認しておきましょう。

東京都も2020年4月から自転車保険が義務化に

東京都も2020年4月から自転車保険が義務化に

東京都では2020年4月に、「東京都自転車の安全で適正な利用の促進に関する条例」が施行されます。これは「自転車利用者、保護者、自転車使用事業者及び自転車貸付業者による自転車損害賠償保険等への加入を義務化」するという内容の条例です。東京都で自転車に乗る人やその保護者、さらには自転車で運送などを行う事業者、自転車のレンタルを行う事業者に保険加入の義務が生じることになります。

 

また条例では努力義務として、自転車を販売する店が購入者に保険加入の有無を確認し、保険に関する情報提供することが定められました。ほかにも事業者に対しては、自転車で通勤する従業員がいる場合に、保険加入の有無を確認することを努力義務としています。自転車レンタル業者や学校についても、それぞれ利用者や児童・生徒に対し、自転車保険に関する情報の提供を努力義務として規定しています。

 

自転車保険への加入を義務付ける地方自治体は、これからも増えていくことでしょう。さまざまな自転車事故による高額賠償のケースをみれば、無保険で自転車に乗ることのリスクは明らかだからです。

 

楽天損保の自転車保険「サイクルアシスト」なら、賠償責任は1億円まで補償されます。保険料は年間3,000円から。賠償責任の補償に関しては、一定範囲の家族も被保険者となるので、一度に義務化の条件をクリアできるでしょう。サイクルアシストには、自分が事故に遭った場合の死亡・入院・手術の補償と示談交渉サービスもセットになっています。自転車のリスクに幅広く備えることが可能です。

  • 著者:黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。
    関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。


この記事をチェックした人にはコチラ!

LINE友だち追加

関連記事