信託報酬とは。投資信託を上手に運用するコツとコストの心得

更新日:2020/05/25

投資を始めようとするとき、検討対象となる金融商品のひとつが「投資信託」。しかし種類が多く、選ぶのが大変と感じることがあります。投資信託協会が2020年2月に公表した「投資信託の主要統計」によると、現在運用されている投資信託の本数は6,015本。2019年に新規設定されたものだけでも、329本となっています。そうした中、投資信託選びの手掛かりとなるのが、「信託報酬」などコスト面での比較。ここでは投資信託にかかるコストと、投資信託選びの考え方について解説していきたいと思います。

信託報酬とは。投資信託を上手に運用するコツとコストの心得

信託報酬とは

信託報酬とは

投資信託で資産を運用するきには、いくつかのコストを支払う必要があります。信託報酬はその中のひとつで、投資信託を保有する間、日々信託財産の中から間接的に支払い続けるコストです。投資信託の内容を説明する目論見書(もくろみしょ)を見れば、保有額に対して年率何%の信託報酬がかかるか知ることができます。印刷されたものや電子交付されるものがあるので、確認してみましょう。

 

信託報酬は運用管理費用とも呼ばれ、運用に必要な費用をまかなったり、運用報告書の作成・資産の保管などに使われたりしています。信託報酬は、投資信託に関わる3つの主体、運用会社・販売会社・信託銀行に配分されます。

 

それでは信託報酬が1%(税込1.1%)の場合、毎年どれくらいの金額を支払うことになるのか計算してみましょう。投資信託への投資額が50万円だとします。年間の信託報酬は、「50万円×1.1%=5,500円」です。もし1年の間に投資信託が値上がりしなければ、残高が49万4,500円に減ってしまうということになります。毎年支払うものなので、長期的には運用結果に大きな影響があると考えられます。信託報酬が高いか低いかということは、投資信託を選ぶときの重要なポイントです。

 

投資信託の保有期間中は、信託報酬以外にもコストを支払います。例えば監査報酬。投資信託は決算期ごとに監査法人の監査を受けるので、そのための費用が必要です。また投資信託の運用時には、株式売買の手数料なども信託財産の中から支払っています。

 

そのほかにも購入するときだけかかる購入時手数料や、換金時に支払う信託財産留保額などもあるので、投資信託選びの判断材料になるでしょう。ちなみに投資信託をチェックしていると「ノーロード」という言葉を目にすることがありますが、これは購入時手数料がかからないことを意味しています。

投資信託を選ぶ考え方

投資信託を選ぶ考え方

投資信託を選ぶ際には、様々な考え方があります。保有期間中にかかるコスト、つまり信託報酬が高いか安いかを比較して選ぶのもひとつの方法です。一般的に信託報酬はインデックスファンドでは安く、アクティブファンドでは高くなるという傾向があります。インデックスファンドというのは、投資信託の価額が日経平均やTOPIXなどの指数と連動するように運用されているタイプです。一方のアクティブファンドでは独自の方針で投資する銘柄を選ぶことで、指数以上の投資成績を目指します。

 

投資信託による運用で、コストを低くするのであればインデックスファンドを選ぶことになるでしょう。市場全体に投資するため、分散投資によって極端な値動きをおさえる効果も期待できます。市場全体に投資するのではなく、成長が見込まれるテーマに絞って投資したいというのであれば、アクティブファンドを選ぶことも可能です。ただし高い信託報酬に見合った利益を出さなければ割に合わないということになります。投資分野を絞る分、値動きも大きくなることが予想され、高いリスク許容度が求められます。

 

また目的によって投資信託を選ぶのもひとつの考え方です。例えば老後への備え。長期的に積み立てて、資産を増やしたいという場合です。この場合、債券よりも長期的な値上がり益を期待できる株式へ投資するタイプの投資信託が適切と考えられます。別の目的としては、投資信託からの分配金を定期的に得ることで、現在の収入を増やしたいというケースもあるでしょう。その場合は、債権や高利回り株に投資する毎月分配型・隔月分配型などの投資信託を選ぶことが適切ということになります。

投資にまつわるコストの心得

投資にまつわるコストの心得

投資にかかるコストは、長期で見るとその差がはっきりします。例えば500万円の投資信託を、20年間保有し続けた場合を見てみましょう。年間の信託報酬が1%の場合、1年にかかるコストは5万円。20年間では100万円のコストを支払うことになります。0.5%であれば、1年に2.5万円。20年では50万円のコストと計算できます。もちろん500万円の投資信託が600万円、700万円と値上がりしていれば、その分信託報酬の総額も高くなるでしょう。信託報酬が1%の場合と0.5%の場合で比較すると、20年間に約50万円もの差が出ることが分かります。

 

また100万円のコストを支払うということは、20年後にそれ以上の値上がりをしていなければ損をすることになります。投資金額が500万円だと、20年間で20%以上の値上がりをしなければなりません。コストが50万円であれば、20年間で10%以上の値上がりで良いということになります。インデックスファンドでは、日本や世界全体の市場に投資します。市場の成長が、信託報酬の年率よりも高くなければ利益は期待できないでしょう。毎年のコストが低い投資信託を保有するほうが、長期的に安心して、世界経済の状況を見ることができそうです。

 

このように投資信託選びでは、信託報酬などのコストに注目することが大切です。資産形成にかける時間が長いほど、その差が大きくなってきます。証券会社のサイトでは、数多くの投資信託のデータをチェックできます。信託報酬が高いもの安いもの、いろいろ発見できるでしょう。

 

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  • 著者:黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。
    関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。


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