住宅ローン変動金利とは。フラット35と比較し、推移やメリット&デメリットを解説
更新日:2020/06/11住宅ローンを借りる際、特に重要なのが金利です。金利によって住宅ローンの総返済額が変わるため、決して軽視できるものではありません。金利には変動金利と固定金利があります。この記事では変動金利の推移やメリット・デメリットを固定金利のフラット35と比べながら解説。「住宅ローンの借入れを検討しているが、いまひとつ金利についてわからない」という悩みを抱えている方はぜひチェックしてください。

住宅ローンの借り方

住宅ローンには金利がつきます。たとえば3,000万円借りたとして、3,000万円返済するというわけではありません。金利が年1%の場合、3,000万円は1年後に3,030万円になります(※実際の住宅ローンは毎月返済していくので、総返済額は3,030万円にはなりません)。当然のことながら金利が低いほうがお得です。
金利には変動金利と固定金利の2種類があります。言葉通り、変動金利では金利が変動するということがありますが、固定金利は一定期間の金利が変わりません。だからといって、金利が変わらないほうがよいとは言いきれません。どちらの金利を選択すればよいかは借りる人の状況によって変わってきます。
変動金利とフラット35

変動金利は住宅ローンの返済中に経済情勢が変わった場合に、金利も上下に変動する可能性があります。当然、金利が上がった分だけ利息が多くなり、下がれば利息は減ります。
一方、固定金利の代表であるフラット35は、全期間固定型の金利です。民間の金融機関で借り入れることができるので、その金融機関独自のローンだと思う方もいますが、住宅金融支援機構という独立行政法人が民間の金融機関と提携している商品です。
フラット35の「35」とは、最長で35年ローンが組めるという意味。返済期間を20年以下にすることで低い金利での借り入れが可能となるフラット20や、長期優良住宅を対象とした最長50年のフラット50もあります。
変動金利の推移とメリット&デメリット
※出典:ずっと固定金利の安心【フラット35】
住宅金融支援機構が主要都市銀行の金利の中央値をまとめた資料によると、1984年の金利は8%を超えていました。一時的に5%まで低下するものの、1991年には再び8%を超えます。しかしその5年後の1996年には2%台まで低下。それ以降は横ばいの状態が続き、2020年4月は2.475%となっています。ただし、上記はあくまでも店頭表記金利となっており、金融機関ごとの「優遇金利」によってマイナスされます。年利1%を切る住宅ローンも少なくありません。今後の金利がどうなっていくかは誰にもわかりません。上がることも下がることもあるので、メリットとデメリットを把握し、それぞれの可能性を考えていく必要があります。
・変動金利のメリット
変動金利のメリットはその金利の低さにあります。金利が低い金融機関では年0.4%のところもあります(条件による)。なるべく多く住宅ローンを借りて、手元に現金を残しておきたい人には変動金利が好まれます。この先、金利が上がらなければ、低金利の恩恵を受け続けることができるでしょう。
・変動金利のデメリット
変動金利のデメリットは金利上昇のリスクです。もし金利が上がれば、利息が増え、毎月の返済額にも影響してきます。将来いくら返せばよいのか確定しないので、ライフプランに応じた費用の計画も立てにくくなります。経済の先行きが不透明な中では、金利が上がるリスクもよく考えて選択しなければなりません。
フラット35 金利の推移とメリット&デメリット

フラット35とは金融機関によって金利が異なります。楽天銀行のフラット35金利推移(返済期間21年以上35年以下・旧団信制度)を見てみると、2008年~2010年は3.0%前後でした。金利は徐々に下がっていき、2016年7月に0.93%と1%を割り込みます。その後は1.0%前後で推移しており、2020年4月は1.01%です。
・フラット35のメリット
フラット35は借入期間中の金利が固定のため、返済計画が立てやすいのが最大のメリットです。万が一、経済情勢が急激に変化したとしても、返済額が変わることはありませんし、金利が上がるのを心配して生活する必要もありません。資金計画が立てやすいため、家計に余裕があれば繰り上げ返済していくこともできます。
・フラット35のデメリット
フラット35のデメリットは、変動金利に比べて金利が高いということです。2020年4月1日現在の楽天銀行住宅ローン新規借り入れ金利を比較すると、変動金利は年0.527%なのに対し、フラット35は年1.10%(団信なし、21年以上35年以下)となっています。
将来の金利情勢はわかりませんが、現在の状況が続くと思っている人にとっては固定金利を選ぶのは損かもしれません。もし市場金利が下がったとしても、フラット35には影響せず、低金利の恩恵が受けられません。他の住宅ローンに借り換えるのも不可能ではありませんが、借り換えには費用がかかるので、お得にならない可能性もあります。
まずはシミュレーションしてみては?
変動金利とフラット35のメリット・デメリットについて解説しました。人によっては状況が違うため、選択肢も変わってきます。楽天銀行のホームページでは、無料で住宅ローンのシミュレーションができます。金利プランを選ぶ参考になりますので、詳細をチェックしてみてはいかがでしょうか。
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著者:Ryoさん
フリーランスWEBライター。
高校卒業後、アパレル販売員や不動産業界を経験。宅地建物取引士、FP2級、住宅ローンアドバイザー、簿記2級などの資格を持っています。
金融や不動産についてだれでもわかりやすい情報発信をこころがけています。
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