アメリカ経済は今後も拡大していくの?人口と経済成長はどのように関係しているのか

更新日:2020/07/10

日本の人口は、2020年5月1日時点では概算値で1億2,590万人。出生率の低下と人口の減少が問題になっています。一方アメリカの人口は、2019年の推計で3億2,906万人。日本と同じく出生率は低下していますが、人口は増加しています。少し不思議に感じるかもしれませんが、人口の増加や減少は将来の経済成長にも関係があります。日本やアメリカの株式に投資したいと考えている場合など、その動向に興味を持っている方も多いでしょう。ここではアメリカの人口と、経済成長の動向について解説していきたいと思います。

アメリカ経済は今後も拡大していくの?人口と経済成長はどのように関係しているのか

アメリカの人口と経済成長は関係ある?

アメリカの人口と経済成長は関係ある?

人口と経済成長の関係を見る前に、経済成長についておさらいしておきましょう。経済成長というのは、文字通り経済の規模が拡大していくことです。そして経済の規模を測る指標としては、国内総生産(GDP)が主に使われます。GDPとは、国内に居住する人が、生産活動を通して生み出した付加価値の総額。ある国に住む人が、仕事などを通じて財やサービスを生産し、市場で売買されることで増加していくものです。

 

そこで問題となるのが、経済成長の要因。経済が成長するために必要なものとしては、下記の3つが挙げられます。

 

(1)労働力の増加
(2)資本ストックの蓄積
(3)技術進歩

 

人口と関係があるのは、「労働力の増加」。人口が増えると働く人も増え、経済の成長につながると言えるでしょう。アメリカの人口が増えていけば、経済成長にプラスの影響があります。

 

また「資本ストックの蓄積」というのは、工場の建設や機械の導入が進むことです。この「資本ストックの蓄積」と「技術進歩」は、「一人当たりの実質 GDP(労働生産性)」に影響を与えます。人口が増え、それに加え労働生産性も上がれば、より力強い経済成長が望めるでしょう。もし人口が減ったとした場合労働生産性の上昇でカバーできれば、経済成長を維持できるという見方もできます。

アメリカ経済がこれからも拡大する理由は?

アメリカ経済がこれからも拡大する理由は?

経済の拡大には、人口の増加と労働生産性の上昇が必要です。アメリカ経済の成長を考えるとき、まず気になるのは、将来の人口がどう推移するのかという点。アメリカの人口は、2019年の推計で3億2,906万人でした。2019年に国連が公表した世界人口予測では、2050年におけるアメリカの人口を3億7,942万人と推計しており、2019年度から増加の見込みとなっています。ちなみに2100年では、4億3,385万人となる予測。こうした人口の増加は、アメリカ経済の成長に寄与するでしょう。

 

ちなみに同じ推計によると、2050年における日本の人口は1億580万人。減少の見込みとなっています。経済成長を維持するには、労働生産性を上げるとともに、女性や高齢者など労働に参加する人を増やすことが必要とされています。

 

労働生産性の面から注目したいのは、GAFAの存在。GAFAは、Google・Amazon・Facebook・Appleという4つの企業を指す言葉です。アメリカではこのような巨大IT企業が成長し、経済をけん引してきました。これからもIT分野での技術進歩が進んでいけば、経済成長にとってプラスになるでしょう。また自動車などの製造業に代わってIT産業が登場したように、将来的にはさらに新しい産業が登場し、経済を引っ張っていく可能性もあります。

出生率は低下しているのにアメリカの人口が増加している理由は?

出生率は低下しているのにアメリカの人口が増加している理由は?

長期的に人口増加が予測されているアメリカですが、実は出生率は低下しています。合計特殊出生率は、ひとりの女性が出産可能な期間に産む子どもの数を平均したもの。人口の維持には2.08という数字が必要とされています。2016年におけるアメリカの数字を見てみると、出生率は1.82でした。1.44だった日本よりは高いものの、人口の維持に必要な数字には達していません。アメリカの人口増には、別の要因があるということです。

 

アメリカでは毎年100万人前後の移民を受け入れています。これまでにアメリカに流入した移民の合計は、5,000万人を超えました。こうした移民の存在が、アメリカの人口を増加させているのです。「人種のサラダボウル」と呼ばれる、多民族の社会を形成しています。ただし不法移民の取り締まりを厳しくするなど、移民政策によってこの数が減っていく可能性もあるでしょう。

アメリカの人口が多い州と少ない州は?

アメリカの人口が多い州と少ない州は?

世界4位という広大な面積を持つアメリカ。人口の分布はどうなっているのでしょうか。現在ある50州の中から、人口が多い州と少ない州をいくつかピックアップしてみます。

 

2019年7月のデータで見ると、アメリカで最も人口が多いのはカリフォルニア州で、3,951万人でした。西海岸に位置する州で、人口399万人のロサンゼルスがあります。2位となるのがテキサス州。アメリカの南部で、メキシコとの国境に接しています。テキサス州の人口は2,900万人、最大都市となるヒューストンの人口は233万人です。3位は、2,148万人が暮らすフロリダ州。南東部のフロリダ半島にあります。そして人口1,945万人のニューヨーク州が4位。アメリカ北東部に位置し、最大都市のニューヨークには840万人が住んでいます。

 

一方、アメリカで最も人口が少ないのは、ワイオミング州。アメリカ西部の山地にあり、イエローストーン国立公園という観光地がよく知られていますが、人口は58万人です。49位となったのは、人口62万人のバーモント州。ニューヨーク州の東にあります。48位はアラスカ州。北アメリカ大陸の北西にある飛び地です。人口は73万人。面積が広いため、人口密度は全米で最も低くなっています。47位は人口76万人のノースダコタ州。アメリカ中西部に位置し、カナダに接している州です。

アメリカの文化と日本の文化の違いは?

アメリカでは移民が人口を増やす要因となっていました。多様な移民は、「サラダボウル」と呼ばれる多民族国家を形成しています。人種や民族の違いがあまり目立たない日本と比較すると、文化的に違った面があるようです。

 

アメリカの国民性としてよく挙げられるのが、自己主張の強さ。自分の意見を明確にします。空気を読んで周りに合わせようとする日本の国民性とは、対照的と言えるでしょう。経済の成長においては、技術の進歩も重要です。技術の進歩には、自由に意見を主張できる風土が必要だと考えられます。見習うべき点かもしれません。

 

ここまで見てきたように、出生率が低下するなか、移民によって人口増加を維持しているアメリカ。技術の進歩も期待でき、アメリカ経済はこれからも拡大しそうです。アメリカ株への投資を検討しているなら、楽天証券の投資情報メディア「トウシル」も参考になります。米国株の選び方を特集したページもあるので、一度チェックしてみるとよいでしょう。

  • 著者:黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。
    関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。


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