年金は何歳からいくら受け取れるのか?繰り上げ・繰り下げ受給のからくり

更新日:2020/08/18

人生100年時代と言われる昨今、将来自分はいくら年金がもらえるのか高齢になっても働き続けた場合の年金はどうなるのか、気になっている人は多いと思います。 年金の受け取りは原則65歳からですが、繰り上げ受給・繰り下げ受給という制度によって年金を受け取る時期や金額が変わることをご存じでしょうか。今回は日本の年金制度の概要と、60歳以降も働きながら年金をもらう場合に注意することについて解説します。

年金は何歳からいくら受け取れるのか?繰り上げ・繰り下げ受給のからくり

日本の年金制度の概要

日本の年金制度の概要

まず、日本の公的年金制度について概要を紹介しておきましょう。

 

公的年金には国民年金と厚生年金があります。国民年金は20~60歳までのすべての国民が強制加入する年金で、厚生年金は会社員や公務員が対象となる年金です。

 

よく日本の年金制度を「2階建て構造」という風に表現しますが、全員が加入できる国民年金がベースとなる1階部分で、それに加えて会社員や公務員の人には厚生年金という2階部分の上乗せがあるというイメージです。

 

国民年金は加入する人によって、第1号被保険者から第3号被保険者までの3つの種類に分かれています。

 

・第1号被保険者:自営業やフリーランスなどの事業者、学生、無職の人など
(=厚生年金には入っていない人)

・第2号被保険者:会社員や公務員として勤務している人
(=厚生年金にも加入している人)

・第3号被保険者:第2号の人に扶養されている配偶者

 

そして、国民年金・厚生年金どちらも給付を受け取ることになるのは、

 

・老齢:高齢になったとき
・障害:病気やケガで障害者になったとき
・遺族:被保険者が亡くなり遺族になったとき

という3つのきっかけによってです。

 

国民年金から出る給付は「○○基礎年金」という呼び名になり、厚生年金から出る給付は「○○厚生年金」と呼ばれます。つまり「老齢基礎年金」、「障害厚生年金」……というようになります。

 

一般に「将来の年金」として広く認知されているのは老齢給付です。例えば会社員の人が高齢になったときには、国民年金から老齢基礎年金、厚生年金から老齢厚生年金の給付を受け取ることになるというわけです。

どのくらいの金額がもらえるのか

どのくらいの金額がもらえるのか

・国民年金の場合

国民年金の老齢給付は2020年4月現在、満額で年間78万1,100円が受け取れることになっています。月に直すと1カ月6.5万円ほどです。ただし、過去に保険料を納めていない月がある場合は減額され、この額を下回ります。

 

・厚生年金の場合

厚生年金で老齢給付として受け取れる額は、現役時代に受け取った給与の額によって決まります。給与を多くもらっている人ほど納める保険料も高くなり、それに伴い将来受け取れる金額も高くなるということです。

 

日本年金機構のホームページによると「平均的な収入(賞与を含む報酬額が月換算43.9万円)で40年間就業した場合、老齢基礎年金を含む夫婦2人分の標準的な年金額は22万724円」とのことで、厚生年金分だと1カ月約16万円といったところでしょう。

繰り上げ受給と繰り下げ受給

年金は65歳から受け取り開始するのが原則ですが、この受け取り開始時期は60~69歳までの間で任意の時期に変更することが可能です。

 

60~64歳の間、つまり本来よりも前倒しで年金をもらい始めることを「繰り上げ受給」といい、この場合もらえる年金額が「前倒しした月数×0.5%」だけ減額されます。

 

逆に、65~69歳の間で本来よりも後ろ倒しでもらい始めることを「繰り下げ受給」といい、この場合は「後ろ倒しした月数×0.7%」だけ増額されます。

60歳以降、働きながら年金をもらうことは可能か?

60歳以降、働きながら年金をもらうことは可能か?

60歳を超えても働き続ける場合、働きながら年金を受給することは可能です。

 

国民年金は60歳で加入資格がなくなり、保険料の支払いも終了しますが、厚生年金は雇用が続いている限り最長70歳まで支払いが続きます。

 

一方、先ほど紹介した繰り下げ受給の制度によって、年金は一番早くて60歳から受け取り始めることができます。

 

近年の平均寿命の伸びにより、定年後も働き続ける人が増えていますので、これからの時代は給与と年金のダブルインカム、という人も珍しくなくなるでしょう。

注意すべき「在職老齢年金」

ここで注意すべきなのが「在職老齢年金」という制度です。これは、年金で受け取った金額と給与として受け取った金額の合計が一定額を超えると、年金が一部減らされるという仕組みです。

 

具体的には、1カ月あたりの給与と年金の合計額が、60~64歳は28万円、65歳以上は47万円を超えると、超えた分の一部の老齢厚生年金が減額されます(2020年現在)。つまり、もらう給与が多くなると、その分を調整するかのように年金が減額されるイメージです。

 

減額されるのは老齢厚生年金の一部であり、年金がすべてなくなってしまうわけではありませんが、単純に働けば働くほど収入が増えるというわけではないところがポイントです。

いつから受け取るのがベストか?

以上の制度を踏まえた上で、どのように年金を受け取るのがベストなのかを考えます。それは高齢になってからの働き方やライフスタイル、家族構成や価値観、どれだけ長生きするかといった様々な要因が複雑に関係した問題です。

 

単純に数字だけで見れば、受け取り開始を後ろ倒しするほうがもらえる金額が増え、お得に見えるかもしれません。しかし受け取りが始まるまでの数年間は働き続けるなどして収入源を確保しておかなければなりません。

 

逆に繰り上げ受給を選択すれば、まだ若くて元気なうちからお金を受け取ることができます。しかし1回あたりの受給額が減るので、長生きした場合、いずれ受け取り開始が遅かった人に対して、累計年金額で逆転されます。

 

自分がどれだけ長生きするかはわからないので、最終的な損得を事前に計算することはできません。結局、高齢になっても働くことに抵抗はないか、月にどのくらい娯楽に使いたいかというような「自分が送りたい老後生活」も考え合わせて、受け取り開始時期を決めるのがベストということになるでしょう。

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  • 著者:misoさん

    簿記3級・FP2級を保有しているフリーランスの演奏家です。
    確定申告を自分でやるようになり、もっと税金や世の中のお金の仕組みについて知りたいと思い資格を取得しました。
    ピアノ演奏のかたわら、執筆、心やお金に関する相談など、得意なことを活かして活動しています。


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