オフショア市場拡大で注目!オフショア銀行口座は日本からも開設できる?

更新日:2020/09/02

オフショア銀行という言葉は、ニュースで聞いたことがあるかもしれません。以前、大企業などがタックス・ヘイブンと呼ばれる租税回避地を利用し、納める税金を低く抑えていたことが判明して問題になったことがあります。そのときに利用されたのがオフショア銀行です。しかしオフショア銀行の活用法はそれだけではありません。ここではオフショア銀行を利用するメリットや口座開設の方法、注意しておきたい点などを解説していきたいと思います。

オフショア市場拡大で注目!オフショア銀行口座は日本からも開設できる?

オフショア銀行とは

オフショア銀行とは

オフショア銀行とは、預金者が居住する国の外にあり、外国の金融当局の管轄下に置かれている銀行のことです。日本から見ると金融庁の管轄外の銀行ということになります。

 

オフショア銀行という言葉はとくにタックス・ヘイブン(租税回避地)にある銀行を指すこともあります。タックス・ヘイブンの多くが島国であるため、沖(offshore)にある銀行と呼ばれたのがもともとの語源です。たしかにオフショア銀行の口座残高が大きいケイマン諸島は島です。しかしそれを上回る規模のスイスは内陸部の国。島にあるかどうかは関係ありません。

 

2016年に公表されたパナマ文書により、多国籍企業や富裕層がタックス・ヘイブンとなっている国に資産を移すなどして租税を回避する実態が明らかになりました。そのことからオフショア銀行に預金すると、その利子などについて日本で納税しなくても良いと思っている人もいるかもしれません。しかし日本の居住者は、所得の生じた場所が国内か国外かを問わず、日本で課税されます。

 

海外のオフショア銀行に預金すると、海外と日本とで二重に所得税が課税されてしまうことがありますが、「居住者に係る外国税額控除」という制度で最終的に調整されます。

オフショア銀行口座を作る目的

オフショア銀行口座を作る目的

オフショア銀行に口座を開設するということは、海外の銀行に口座を持つということです。その目的は人によって様々ですが、例えば富裕層の場合を見ると、より政治的・経済的に安定した国に資産を置いておきたいというニーズがあります。

 

またオフショア銀行のサービスは充実していて、例えばオフショア銀行が提供するデビットカードの中には、世界中の多くのATMで現金を引き出せるものもあります。旅行や出張の際に便利なので利用したいというニーズもあるでしょう。

オフショア銀行のメリット・デメリット

オフショア銀行のメリット・デメリット

オフショア銀行のメリットとしては、より安全な国で資産を守れることと、海外での生活に便利という点が挙げられます。また日本では預金金利が低い状態が続いていますが、高金利の国の銀行に預ければ利子を多く受け取れるでしょう。日本と海外では金融上の法制度が異なるため、日本にはないタイプの金融商品を利用できるというメリットも考えられます。

 

デメリットとしては、言葉の壁が問題になるかもしれません。普段はオンラインで取引していたとしても、何らかのトラブルで電話やメールでのコミュニケーションが必要となる場合もあるでしょう。ある程度の英語力が必要と考えられます。またオフショア銀行に口座を作った場合、銀行所在国の政治的な安定性が損なわれると、預けた資産も危険にさらされることになります。法制度の変更などについて、自国と海外の両方に気を配る必要もあり、デメリットと感じる場面がありそうです。

口座を開設するには

口座を開設するには

銀行口座を開設する際には、現地に住所があることを証明できる書類や、合法的に居住していることを証明するビザなどの提示を求められることが多くなっています。最近では各国でマネーロンダリングへの警戒が強まっており、現地に住所のない非居住者が口座を開設することは難しくなっているというのが現状です。そうした中、非居住者として海外に口座開設できるのがタックス・ヘイブンにあるオフショア銀行。手続きは現地で行うほか、郵送やオンラインといった方法があります。

 

ちなみに日本で開設できるアメリカの銀行口座というものもあります。例えば三菱UFJ 銀行を通じて、アメリカのユニオンバンクに口座を開設することが可能です。現在ユニオンバンクは、三菱UFJフィナンシャルグループのグループ銀行となっています。申し込めるのは、一般的な貯蓄を目的とした「セービングス・アカウント」と決済用口座の「チェッキング・アカウント」です。チェッキング・アカウントがあれば、小切手が使えるようになり、出張や留学などに便利です。

開設する際の注意点

オフショア銀行に口座を開設すると、口座を維持するための費用がかかることがあります。一定額の残高があれば無料になる場合もあるので、確認しておく必要があるでしょう。また長期間、預け入れや引き出し、送金といった動きがないと休眠口座になることもあります。休眠口座になるまでの期間がどれくらいか、注意が必要です。口座を開設する前には、どのくらいの金額を預けるのか、どのくらいの頻度でどのような目的で利用するのか計画的に行いましょう。

 

海外の銀行に口座を持つメリットのひとつは預金金利の高さですが、高金利を求めるのであれば、選択肢はオフショア銀行だけではありません。例えば楽天銀行の外貨預金。米ドルやユーロだけでなく、中国人民元なども扱っています。また外貨普通預金以外に、より金利の高い外貨定期預金も利用可能となっています。ただし為替の変動や、国ごとの政治リスクなどがある点は注意が必要。積極的にリスクを取れる資金の運用に向いていると考えられます。

  • 著者:黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。
    関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。


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