私立高校の気になる学費。授業料実質無償化で何が変わる?

更新日:2020/09/09

文部科学省「平成30年度学校基本統計」によると、私立高校の割合は学校数で30.5%、生徒数で33.0%となっています。本人や家族が希望して、あるいは残念ながら公立高校に合格できずと、理由は様々でしょうが、3人に1人が私立高校へ進学していることになります。ここでは、私立高校の授業料に対する支援制度を確認することで、公立高校に比べて高い学費への不安を解消しましょう。

私立高校の気になる学費。授業料実質無償化で何が変わる?

私立高校授業料実質無償化の対象と内容

私立高校授業料実質無償化の対象と内容

2010年に「高校無償化法」が成立し、私立高校の生徒には公立高校の授業料と同額(年間11万8,800円)の「就学支援金」が支給されることになりました。実際には、生徒に支給されるのではなく、当該金額を学校が国から受け取ります。つまり支給分だけ生徒の負担が少なくなるという性質のもので、現在全国で約80%の生徒がこの制度を利用しています。ただし申請が必要となっている点には注意が必要です。

 

2014年度以降、この制度には所得制限が設けられ、世帯年収が910万円未満(夫婦と子ども2人の場合で、両親の片方のみが働いているケース)であることが受給条件となりました。その一方で世帯年収が590万円未満の場合は、年収に応じ一定額が「加算支給」として上乗せされることとなりました。

 

2020年4月からはさらに制度変更が加えられています。所得に応じて3段階となっていた「加算支給」の段階制が廃止され、世帯年収590万円未満の世帯の子どもが私立高校に通う場合、一律年間39万6,000円支給されることになりました。

 

2020年4月からの「私立高等学校授業料の実質無償化」リーフレット
https://www.mext.go.jp/content/20200117-mxt_shuugaku01-1418201_1.pdf

 

国の就学支援金制度に加え、都道府県が独自に世帯収入に応じた高校就学支援制度を設けている場合がありますので、あわせて調べてみてください。

私立高校と公立高校の学費の違い

文部科学省「平成30年度子供の学習費調査」によると、公立高校の学費は年45万7,380円、私立高校の学費は年96万9,911円となっており、年間約50万円、3年間では約150万円の差があります。

 

先ほど挙げた授業料とだいぶ開きがあるのは、ここでいう学費は授業料に加え、修学旅行の費用、学校納付金、学校外活動費等が含まれているためです。

 

 

また、私立高校に入学する場合、入学時に20~30万円、またはそれ以上の入学金を納めることになります。公立高校の入学金(5,000円程度のことが多い)に比べて高額のため、注意が必要です。

私立高校に進学する場合の必要な教育費

私立高校に進学する場合の必要な教育費

私立は授業の質が高く、受験対策もしっかりしているといわれることがありますが、塾や家庭教師の費用が含まれる学校外の活動費も私立高校の方が高くなっていることがわかります。

 

はじめから私立高校に進学するつもりだった場合は別ですが、公立を希望していたにもかかわらず私立に入学した場合、3年間で約150万円の差は非常に大きく感じることでしょう。学校によっては生徒がアルバイトできる場合もありますが、高校生の時期から学費のために働かせるのはできれば避けたいものです。

 

ちなみに、私立高校の教育費に相当する約300万円を貯めるには、年間20万円でも15年間かかります。教育資金の準備に着手するのに早すぎることはありません。

 

貯金だけで高校3年間の教育費を準備するのはたいへんです。しかも先ほど引用した学習費調査を遡ると、以下の通り毎年というわけではありませんが費用は上昇傾向にあり、いわゆるインフレ対策としても、教育資金の一部を資産運用することも検討の余地があるでしょう。

 

 

同じことは、大学入学のための資金作りにもいえます。大学受験の費用や学費は「学資保険」で準備していくことも考えられますが、以前のような高い返戻率の商品はもうありません。

 

そこで大学の学資を作るための方法として、2016年1月にスタートした「未成年者少額投資非課税制度」(ジュニアNISA)をご紹介します。ジュニアNISAには下記のような特徴があります。

 

・投資信託・株式等への投資から得られる配当金・分配金が非課税となる
・非課税の投資枠は新規投資額で毎年80万円が上限
・18歳までは原則払い出しができない
・運用管理者は口座開設者本人(未成年者)の二親等以内の親族(両親・祖父母など)

知っておきたい支援金

知っておきたい支援金

就学支援金の金額は1年に1回、住民税の課税標準額を基準にして決められるため、突然の失職、倒産等を原因とした家計急変には対応できません。それを補うため、各都道府県では、収入の減少が次年度の就学支援金の支給額に反映されるまでの期間に、この就学支援金と同等の支援をするための制度が設けられています。

 

また、生活保護世帯、住民税所得割非課税の世帯には、教科書費や教材費等、授業料以外の教育費を支援する「高校生等奨学給付金」の制度があります。目安となる年収は270万円未満で、年間3~14万円の支援が受けられますが、こちらも就学支援金と同様に申請が必要です。

 

公立でも私立でも、高校卒業までの教育資金を貯めるのは一苦労です。ネット銀行の口座開設数No.1の楽天銀行は、口座開設の手続きも簡単にできます。子ども名義の口座にしておくと、教育資金と生活資金を分けることも容易になります。

  • 著者:かずさん

    FP2級保有。投資歴は約10年。国内現物株、投資信託、債券、金等へ幅広く投資。家計管理は月1回、資産状況と支出一覧を更新するシンプルなやり方を実践。
    クレジットカードやキャッシュレス決済に関する情報も積極的に収集。


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