格差社会、何が問題なのか。日本の現状から対策まで

更新日:2020/09/23

日本が格差社会であるかという質問に対する答えは、格差をどう考えるかによって異なるでしょうし、自分が「普通」であると感じていると、そもそも格差を実感しづらいかもしれません。しかし、例えば厚生労働省が実施した2019年「国民生活基礎調査の概況」によれば、世帯毎の所得は平均値が552.3万円である一方、中央値は423万円で、平均値以下の割合が61%と、割合としては少ない高所得の世帯が全体を押し上げていることがわかります。ここでは、様々な要素を含む格差社会について、日本や世界の現状を確認したいと思います。

格差社会、何が問題なのか。日本の現状から対策まで

格差社会とは

資本主義であれ社会主義であれ、格差が存在しない社会はなく、社会問題として取り上げられる「格差社会」も、単に社会内に格差があることを意味するわけではありません。社会内の格差が広がる一方で、その格差が階層化し、階層間での移動が困難となって階層が固定化してしまった状態のことを指すのが一般的です。

 

理念としての平等原則との関係で、また貧困層の存在との関係でしばしば問題視されます。

日本の格差社会の現状

日本の格差社会の現状

日本国憲法第14条には「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない」とあります。いわゆる法の下の平等の規定です。

 

しかし多くの研究から、両親の世帯年収や学歴と子どもの学歴や生涯年収のあいだに正の相関関係があることがわかっています。義務教育期間は教育の機会が保証されているとはいえ、学校外支出つまり習い事にはどうしてもお金がかかります。子どもの教育をしようと考えても、すべての家庭が実行に移せるわけではないのが現実です。

 

つまり「経済」格差と「教育」格差が子供の「学力」格差を引き起こし、学力の格差がやがては教育の格差と経済格差を生み出して、格差が再生産されているということです。また学校数や教育レベルの「地域」格差や、周囲にも同様に教育に力を入れている人がいるかどうかという「情報」格差も教育格差の原因となっています。

格差社会への対策

格差社会への対策

国や地方自体は、できる限り格差社会を是正する方向で動いていますが、格差社会の根本的な解消は簡単ではありません。厚生労働省発表の「令和元年度地域別最低賃金改定状況」によれば、全国平均の最低賃金時間額は901円と前年の874年に比べて27円上昇しているものの、都道府県間の差は200円以上と、ここでも地域格差が表れています。

 

最低賃金の引上げは、一見所得格差を縮小させるように思えるかもしれません。しかし、人件費高騰による新規雇用の抑制や非正規雇用の拡大、ひいては失業率の上昇につながるという見方もありますし、そもそもこの施策自体が物価上昇目標の達成ありきだという意見もあります。

 

直近では2019年10月に行われた消費税増税も、高所得者と低所得者にも平等に課税されるという点で不公平であるという声から、海外の事例も参考にしながら一部の商品に対して軽減税率制度が設けられました。

 

しかし、貧困層に対する支援を手厚くすることは、努力して資産を形成している人々が不満を持つ原因にもなりますし、

 

経済成長を伴わない公的扶助は将来の世代に負の遺産を遺すことにもつながります。

 

格差社会への対策が施されず、一方的に格差が広がっていくのはもちろん望ましくありませんが、一方でただ格差の是正を求めたり待ったりせず、個人で努力することも重要だと思います。先ほどの教育格差も、以前は高額な教材の購入や通学が必要であった内容でも、今はインターネットを使えば費用を大きく抑えて学習が可能です。

 

注)金額はいずれも税抜

 

また、YouTubeでも非常にわかりやすい動画が多数公開されており、インターネットの普及が地域格差や情報格差を縮めていると言えるでしょう。

世界にみる格差社会

世界にみる格差社会

所得格差を測る「ジニ係数」という指標があります。各国のジニ係数を比較すると、おおよそアフリカや中南米では所得格差が大きく、先進国、中でも社会福祉が充実している北欧の国々は所得格差が小さいということがわかります。

 

世界銀行が定めた1日1.9ドル未満で生活する人口をみても、2015年時点で世界に約7.3億人と世界人口の約1割を占め、うち約56%がサハラ砂漠以南のアフリカ地域に集中していました。

 

日本では富の再分配が行われているため、こうした極度の貧困に陥ることは現実的ではありません。しかし学校にも行けず、もちろんインターネットを使うこともできず、毎日を生きるだけで精一杯の生活を送っている人が世界には多数存在することを忘れてはいけません。

 

日本が「一億総中流社会」と言われた時代はすでに終わりを告げており、人生設計に計画的な資産形成は不可欠です。楽天証券は2020年3月末時点の証券総合口座数が400万を突破しているネット証券会社。最短5分で口座開設手続きが完了する、おすすめの証券会社です。

参考サイト

厚生労働省が実施 「国民生活基礎調査の概況」 2019年
2020.9.18
https://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/k-tyosa/k-tyosa18/index.html

  • 著者:かずさん

    FP2級保有。投資歴は約10年。国内現物株、投資信託、債券、金等へ幅広く投資。家計管理は月1回、資産状況と支出一覧を更新するシンプルなやり方を実践。
    クレジットカードやキャッシュレス決済に関する情報も積極的に収集。


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