高額療養費制度をカンタンにおさらい。いざ入院となった場合にどうすれば良いの?

更新日:2020/11/05

万一の災害や病気に備えておくのも、マネ活のひとつ。病気で入院することになっても困らないためには、貯蓄や保険でリスク対策をしておかなければなりません。その際重要なのが、どの程度の金額を準備すれば足りるのかという点。医療費に関しては、高額療養費制度があり、ひと月にかかる医療費について上限の目安を知ることができます。ここでは高額療養費制度の、年齢や所得による上限額の違いや、対象となる医療費、申請方法などについて解説していきたいと思います。

高額療養費制度をカンタンにおさらい。いざ入院となった場合にどうすれば良いの?

高額療養費制度とは

高額療養費制度とは

一般的に「高額医療費制度」のように呼ばれることが多いこの制度ですが、正確な名称は「高額療養費制度」。日本は国民皆保険制度となっていて、国民は何らかの公的な医療保険に加入しています。医療機関や薬局の窓口で負担するのは、実際にかかった医療費の1割〜3割です。それでも負担する金額が大きくなったときに利用できるのが、高額療養費制度。窓口で支払った金額が、ひと月の上限を超えると、超えた分の金額が支給されるのです。

 

高額療養費制度の支給対象となるのは、保険が適用される診療に対して、患者が支払った自己負担額です。自由診療と呼ばれる保険対象外の治療には適用されません。

高額療養費制度の条件とは

高額療養費制度の条件とは

ひと月に支払う金額の上限額は、年齢や所得といった条件で異なります。年齢については、70歳以上かどうかで異なってきますが、ここでは69歳以下について詳しくみていきましょう。

 

69歳以下の場合、加入者の所得水準によって、ひと月の医療費上限額(世帯ごと)が次のように決まります。所得水準が低い順に並べました。

・住民税非課税者の場合、ひと月の上限額(世帯ごと)は、3万5,400円となります。

・年収が約370万円未満では、5万7,600円。

・年収が約370万円以上約770万円未満では、上限額を「8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%」という式で計算します。

・年収約770万円以上約1,160万円未満では、「16万7,400円+(医療費-55万8,000円)×1%」。

・年収1,160万円以上では、「25万2,600円+(医療費-84万2,000円)×1%」と計算されます。

 

具体的な上限額を、一例として計算してみます。40歳で収入が500万円、ひと月の医療費が100万円だったとしましょう。3割負担の人であれば、窓口で支払う金額は30万円です。しかし高額療養費制度を適用すると、この額はひと月の上限額を超えているかもしれません。

 

69歳以下の人で、年収が約370万円以上約770万円未満での上限額は、「8万100円+(医療費-26万7,000円)×1%」。このケースでは、「8万100円+(100万円-26万7,000円)×1%」。計算すると、8万7,430円。窓口で負担した30万円は、上限額を超えているのがわかります。手続きをすることで、上限を超えた分の21万2,570円が高額療養費として支給され、実際の負担額は8万7,430円となるのです。

高額療養費制度の申請方法

高額療養費制度の申請方法

高額療養費の支給申請は、健康保険組合・協会けんぽの都道府県支部・市町村国保・後期高齢者医療制度・共済組合など、加入している公的医療保険に対して行います。その際、領収書の添付を求められる可能性があります。高額療養費が支給されるのは、受診した月から数えて3~4カ月後。支給申請はさかのぼって行うことも可能です。診療を受けた月の翌月の初日から2年で権利が消滅するので、過去に高額の負担をしていれば申請可能なものがあるかもしれません。

 

また前もって手続きをしておけば、窓口で支払う金額を負担の上限額に抑えることもできます。そのためには入院の前などに、加入する公的医療保険から「限度額適用認定証」や「限度額適用・標準負担額減額認定証」といった認定証の交付を受けておくことが必要です。医療機関の窓口で提示すると、窓口での負担が上限額までとなります。

 

ひとつ注意しておきたいのは、上限額が適用されるのは、ひと月で同一医療機関に支払った自己負担額だということ。院外薬局は対応する病院と合算されますが、別の医療機関の利用は基本的に区別されます。ただし「世帯合算」という仕組みを使うと、複数の受診や、同じ世帯にいるほかの人の窓口負担額を合算することも可能です。69歳以下の場合、2万1,000円以上の自己負担に限って合算することができます。合算した金額が、高額療養費制度の上限額を超えていれば、支給の対象となるのです。

気を付けたい高額療養費制度の対象とならない事例

気を付けたい高額療養費制度の対象とならない事例

高額療養費制度の対象となるのは、保険適用される診療に対して支払った自己負担額です。保険が適用されないものは、対象外となります。入院する場合だと、「食費」・「居住費」・「差額ベッド代」などが対象外。知らずにいると思わぬ負担となるので、気を付けたいところです。

 

また陽子線治療など「先進医療」の費用も対象となりません。先進医療は高度な医療技術を用いた治療法で、数十万円や数百万円といった費用が発生することもあります。全額自己負担で高額療養費制度の対象にもならないため、民間の医療保険での準備が必要かもしれません。

 

このように公的な医療保険に加入していれば、高額療養費制度によりひと月の負担額の上限を知ることができます。ただ実際に入院となると、衣類や日用品を用意したり、お見舞いに来る家族の交通費がかかったりします。収入の減少も考えられるでしょう。こうした思わぬ出費に備えるには楽天生命の「スーパー医療保険 戻るんです」がおすすめです。所定の年齢になると、健康還付給付金を受け取れます。また基本プランとして「先進医療特約2018」が付いているので、2,000万円までの先進医療治療費が保障されます。

  • 著者:黒川ヤスヒトさん

    証券会社でリテール営業を経験し、AFP資格を取得。
    現在ライターとして、パーソナルファイナンスに関する情報の発信を手がけています。
    関心分野は、ライフプランに関する意識調査や最新の金融商品・サービスなど。


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