苦しくても大好きなものを愛でる――たんぽぽ白鳥久美子さんの「心が荒まない」節約術

苦しくても大好きなものを愛でる――たんぽぽ白鳥久美子さんの「心が荒まない」節約術

「この100円で、明日、どうやって生き抜こう…」――壮絶な体験を語ってくれたのは、お茶の間に笑いを届けるお笑いコンビ「たんぽぽ」の白鳥久美子さんです。ご実家のおばあさま譲りの知恵を活かしながらどのように苦境を乗り越えてきたか、節約生活を経験したからこそ見つけることができたという、ちょっといい話をお伝えします。

もくじ

・ゴミを出さないのが白鳥流節約術

・どんな食べ物も粗末にしない――二人三脚で

・壮絶な節約生活でも人間らしさを保てたのは「大好きなもの」があったから

・もしも一億円を手にしたら…

・人と比べず自分の中の「野生の力」を育てる

ゴミを出さないのが白鳥流節約術

マネ活編集部:上手に節約をされているということで、テレビに取り上げられることも多い白鳥さんですが、どんな節約術を駆使されていますか。

 

白鳥久美子さん(以下、白鳥):基本的には、ゴミをなるべく出さない生活を心がけています。例えば、レジ袋は何回も使い回す。へたってきたら、クシャクシャに丸めて食器洗いのスポンジ代わりに使う。「これ、もう形ないじゃん」となったら捨てるなどですね。

麦茶パックも、使い終わったものでシンクを磨けばピカピカになります。ゴミのように見えるものでも、意外と使えるんですよ。ゴミをゴミのまま捨てない、だから無駄に買わない。それが最大の節約術ですね。

 

マネ活編集部:確かに、お金を使わないで済むので、節約になりますよね。

 

白鳥:家庭菜園もやっていて。4株130円で買ってきたレタスが、今、わっさわさ茂っています。摘んでも摘んでも生えてくる。ひき肉のレタス包みなど、どんどん消費してもなかなか減らない。「130円が1,000円以上になったぞ、ふはははは」って感じです。

あと、これは誰でもやっていることだと思うんですけど、野菜くずの再利用もしています。例えば、豆苗をですね。

 

マネ活編集部:ああ、二毛作やりますねぇ。

 

白鳥:5回ぐらい生やすんです。

 

マネ活編集部:いや、そこまでは「誰でも」ではないかと。

 

白鳥:水換えさえちゃんとしていれば、最大5回はいけるんですよ。最後、ヒョロヒョロになりますけど(笑)。

万能ねぎなんかも、切って使った輪ゴムから下の部分をすぐに捨てずに水につけておくんです。そうすると、ヒョロヒョロと生えてくる。それを今度は土に植え替えればにょきにょきと生えてくる。伸びがいいですよ、あれは。

ただ、一人暮らしだと、地方への出張の際に毎日の水換えができなくなる。今はいいですよ、旦那がいますからね。旦那に「これ、枯らさないでね。枯らしたら、わたしたちの食料がなくなるんだからね。絶対に毎日水換えしてね」ってやってもらっています。役に立ちますよね、旦那も(笑)。

どんな食べ物も粗末にしない――二人三脚で

どんな食べ物も粗末にしない――二人三脚で

マネ活編集部:そういえば、去年の11月にご結婚されたんですよね。おめでとうございます。ご結婚されてから、節約の仕方やお金周りのことで変わったことはありましたか。

 

白鳥:実は、出ていくお金にあまり変わりがないんですよ。旦那も「風呂なし四畳」みたいなアパートで質素に生活していましたからね。結婚したからといって豪遊するわけでもなし。ふたりとも、慎ましく生活しているおかげで、わたしの一人暮らし時代とあまり変わりない出費で抑えられているんです。

 

マネ活編集部:それは素晴らしいですね。

 

白鳥:最低限、家賃は払ってもらっています。毎月、給与明細を提出させて「はい、今月は多いから、2万円多く徴収ね」とか。もちろん、少なければ徴収額も減らしていますけど(笑)。

 

マネ活編集部:ちょうど生かさず殺さず

 

白鳥:「風呂のある部屋で生活できるだけありがたいでしょ?!」というところですかね(笑)。

とはいえ、わたしの節約生活に付き合ってくれているのはありがたいなぁと思っています。ふたりで「今度はどこで節約しようか」と、お互いに知恵を出し合いながら節約したり貯金したりと、遊び感覚でこの生活を楽しめるのは、本当に感謝しかないなぁって。

 

マネ活編集部:では、実際にはあまり生活に変化はなかったということなんでしょうか。

 

白鳥:んー、クルミやリンゴや卵の使用量は増えましたかね。

 

マネ活編集部:と申されますと…?

 

白鳥:お尻でクルミを割るという芸があって、その大量に割ったクルミを中身も殻も持って帰ってくるわけですよ。だからキレイなものを選り分けて料理に、殻は家庭菜園の土の上に載せて土が乾くのを抑えるのに使っています。

リンゴも、口で運ぶという芸で大量に使うので、たくさんジャムを作って、普通に食べたり、飽きてきたらアップルパイに使ったりして消費しています。ジャムを見るのも嫌になってきたら、搾ってジュースにして飲むこともありますね。

 

マネ活編集部:た、卵はどうなんでしょう。

 

白鳥:これもまた、芸で使うんですけどね。足で運ぶ、という。割れたものも持ち帰ってくるので、マンガに出てくるような特大のオムレツを作りましてね。旦那に食べてもらうんです。

 

マネ活編集部:ええっ!(笑)

 

白鳥:わたしもちょっとだけは…本当にちょっとだけ食べますけどね。

あと、鼻にタピオカを詰める、というのもありまして。「これは、鼻に詰めていないものだよね?」と念押しして、タピオカミルクティー作ってます。

 

マネ活編集部:くっ…(笑)

 

白鳥:食べ物を粗末にしたらいけませんからねぇ。芸で使ったものも、大切に再利用していますよ♪

 

マネ活編集部:それは確かに生活が一変したと言っても過言ではないかもしれませんね。旦那さんのお金の使いかたで、「ここは直してほしい」と思われる部分がありますか。

 

白鳥:無駄遣いをしない人で、本当に助かっているんですけど、一点だけあるんです。それは「これは芸に使えるかもしれない」と、使うか使わないかわからないものを「試しに」「箱買い」してくるんです。

 

マネ活編集部:箱買いですか!

箱買い

白鳥:この間も、口の中でパチパチ弾けるキャンディーを、2、3個で良さそうなものなのに、箱買いしてきて。「これ、どうするの?」と。でもまあ、仕事につながるかもしれないから、口にしませんけどね。

 

マネ活編集部:記事として書いてしまってもいいんですか?

 

白鳥:気にしないで書いちゃってください(笑)。

壮絶な節約生活でも人間らしさを保てたのは「大好きなもの」があったから

マネ活編集部:節約をはじめられたきっかけについて聞かせてください。

 

白鳥:祖母が節約する人だった、というのが大きいですね。冷凍庫がない時代、炊いたお米を保存するため天日干しにして、カリッカリになったら煮てお粥にしてみたり、鳥の餌にしてみたりして。ものを大切にするための知恵を見たり聞いたりした、という原体験があったからケチ体質なんじゃないかなぁと。

でも、実際に、そうせざるを得なかった、というのは芸人になってからですね。事務所からもらえる給料だけでは生活できなくて。

オーディションや先輩のライブのお手伝いがあるから、昼間はアルバイトができない。スーパーやコンビニ、清掃、居酒屋など夜間にできるアルバイトは何でもしましたね。

 

マネ活編集部:しんどいですね。そのような中で、最も効果的だった節約術はなんでしょうか。

 

白鳥:ひたすら歩くことです。受からないオーディションに2,000円の交通費をかけて行く、というのが悲しくて。月換算すると、バカにならない金額になるんですよ。

当時は桜新町に住んでいたんですけど、そこから新橋までひたすら歩いて、ゆりかもめ代だけ払う、とか。歩くことで、交通費を削り、それでなんとか生活していました。歩き回ったおかげで、東京には詳しくなりました(笑)。

それから、家賃を抑えるために友人とルームシェアしたり、料理好きな人に「食べさせてもらえない?」とおねだりしたり。どん底までお金がないと、人って開き直れるんですよね。恥を捨てて、現状について話せるようになるし、話を聞いた人は助けてくれるし。「人ってこんなに優しいんだ」と発見することができたのは、良い経験だったと思っています。

 

マネ活編集部:つらい中でも、良いことがあった。

 

白鳥:意外と楽しく生活できましたね。道端の野草を摘んで食材にしたり。「生活力、高まったかも?!」という自信も生まれましたよ。

だって、真綿の中で育てられたハムスターと野生のハムスターでは、生活力が違うじゃないですか。「わたしはどこでも生きていける!」という気持ちになれましたね。

野生のハムスター
※イメージ図

マネ活編集部:節約生活を余儀なくされていたときでも、「これだけはお金をかけてしまった」というものがありますか?

 

白鳥:シルバニアファミリーが大好きで。だから、番組のオーディションに受かったときなどは「ご褒美シルバニア♪」と言い訳しながら買っていました。

とはいえ、そんなに安いものではないので、そのときどきの手持ちに応じて、「今回はちょっとお金があるからファミリーセットを」とか「あんまりお金がないからホットケーキセット」「タンスを1つ」という買いかたで。

お金がなくて、心が荒みそうになっても、シルバニアファミリーを「ああ、かわいい」と愛でていられれば「頑張ろう」と思えました。自分は貧乏なのに、シルバニアファミリーのお家は豪華になっていって、「いつかはこんな家をわたしも持ちたい」という夢を投影させることもしていました。

 

マネ活編集部:好きなものがあるから頑張れる。

 

白鳥:そうですね。そして、大切なものがあれば、心が荒むのを防げるんです。お金がないと、人に意地悪したくなったり、損をしたくないという気持ちが強くなったりする。実際荒んでくるんです。ホントの話。そんな荒んだ、腐った人間にならないためにも、趣味があるのは大切だなぁということを経験できました。

もしも一億円を手にしたら…

マネ活編集部:ここまでは、白鳥さんの節約術についてお聞きしてきました。ここからは将来の夢につながる内容なんですが、もしも一億円を手にしたら、何をしたいと思われますか?

 

白鳥:んー、いつも1,000円単位で節約することばかり考えているから、桁が多すぎて想像もつきませんね。でも、強いて言えば、「良い土壌の畑を買う」でしょうか。

 

マネ活編集部:畑ですか。

 

白鳥:最強ですよ、畑。好きなものを作れるから、もうスーパーに買い物に行かなくていいんですもの。生け簀を作れば魚も育てられる。そうすれば、旦那の好きな食材も揃えられますからね。強いですよ。

畑
※イメージ図

あとは、シルバニアファミリーを展示するスペースも欲しいですね。芸人同士の結婚って、小道具や衣装などで、ものがあふれてしまうんです。旦那のギネス記録の賞状はタンスの中ですし、わたしのこれまでのシルバニアコレクションもしまいっぱなし。

…実は、苦しかった時代に集めていたシルバニアファミリーのいくつかを、先日手放しまして

 

マネ活編集部:それは、置ききれなかったからですか?

 

白鳥:それもあるんですが、保育園に子どもを通わせている友人から「園にシルバニアファミリーがあったらいいだろうな」って話を聞きまして。箱から取り出したこともない、ピッカピカで眺めているだけのシルバニアファミリーの面々も、こんなところに詰められているより、遊んでもらったほうが良かろう、と思って。厳選して寄付したんですよ。これだけは手放せない、というものは残してありますが(笑)。

 

マネ活編集部:そっちを厳選されたのですね(笑)。

 

白鳥:保育園から「子どもたちが、ごっこ遊びを楽しんでいます」と言ってもらえて、「もっと早くにそうしていればよかったな」と思いましたね。おばさんの手元にあるより、子どもたちに遊んでもらったほうが、シルバニアファミリーも幸せですからね。

とはいえ、シルバニアファミリーの世界を再現するような部屋を作りたい、という夢はありますよね。そして、地域の子どもたちに開放して遊んでもらう。1階はシルバニアファミリーエリア、2階は旦那のギネス展示部屋、ということにしたら、すっきりしそうですね。

人と比べず自分の中の「野生の力」を育てる

人と比べず自分の中の「野生の力」を育てる

マネ活編集部:今思えば、白鳥さんにとっての「節約」はどういう意味を持つものとなったでしょうか。

 

白鳥:命をつなぐもの、ですね。節約する術を知っていたから全然お金がなかったのに、今、生きていられる。今でこそ、節約は楽しみの1つですけど、あの日、あの時節約していなかったら、今、ここにこうしていないかもしれない。生きるための知恵ですよね。

個人的にはゴミを出さないような生活を心がけていますが、社会全体が無駄のないシステムにシフトしていったらもっといいなぁと感じることもありますね。量り売りできるものが増えるとか。捨てるためだけのゴミ袋を買うシステムをどうにかするとか。

それから、人が贅沢している姿を見て、「自分は…」とひがみ続けるのはつまらない。自分の野性味あふれる生きる力に目覚めたほうが、なんぼか楽しいし面白いですよ。高そうな水のペットボトルを片手にしている人に、「自分はそんなに高い水を買えないなぁ」と思うのではなく、「東京の水道水、おいしいよ!」と思えるほうが楽しい。

人間って、苦しくても意外と生きていけるものなんです。お金がなくても、誰かを恨んだり自分を責めたり人と比べたりすることをせず、恥は捨てて、大好きなものは捨てないで。節約しなくちゃいけないときも、そうでないときも、人間味のある楽しい節約ライフを送れたらいいですよね。

 

マネ活編集部:完璧なまとめをしてくださいました!貴重なお話を聞かせてくださり、ありがとうございました。

  • 白鳥久美子さん お笑い芸人

    1981年生まれ。福島県出身。日本大学芸術学部卒。
    2008年に川村エミコさんと「たんぽぽ」結成。2010年フジテレビ系『めちゃ2イケてるッ!』の公開オーディションで新レギュラーの座をつかみ一躍人気者に。
    コンビとしての活動に加え、テレビ、ラジオ、ドラマ、舞台など多方面で活躍中。


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